2011 Fiscal Year Annual Research Report
隣接トリカルボニル骨格のRedox系を利用した新規機能性高分子の創製と応用
Project/Area Number |
21350068
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
遠藤 剛 近畿大学, 分子工学研究所, 教授 (40016738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古荘 義雄 近畿大学, 分子工学研究所, 准教授 (00281270)
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Keywords | 隣接トリカルボニル / 高分子反応 / アルコールの付加反応 / アルコールの脱離反応 / 架橋反応 / 解架橋反応 |
Research Abstract |
隣接トリカルボニル化合物は中央のカルボニル基が高い反応性により、様々な興味深い反応を示すことが知られている。前年度までに我々は、非環状の隣接トリカルボニル部位を側鎖に有するポリスチレン誘導体を合成し、トリカルボニル部位において可逆的な水和-脱水反応が進行することを見出した。本年度は、非環状の隣接トリカルボニル部位を側鎖に有するポリスチレン誘導体のアルコールとの反応について検討した。まず、隣接トリカルボニルポリマーのモノアルコールの付加-脱離反応について検討した。隣接トリカルボニルポリマーのCHCl_3溶液に1-ヘキサノールやベンジルアルコールを加えて、室温で20時間攪拌した後、溶媒を留去したところ、対応するアルコール付加体を側鎖に有するポリマーがほぼ定量的に得られた。NMRおよびIRスペクトルからアルコールの付加反応は85%程度進行していることが確認された。また、このアルコール付加体ポリマーを減圧下、100℃で12時間加熱すると、アルコールが完全に脱離して元の隣接トリカルボニルポリマーが94%の収率で回収された。次に、二価のアルコールを用いた隣接トリカルボニルポリマーの可逆的な架橋/解架橋について検討した。隣接トリカルボニルポリマーのCHCl_3溶液に1,6-ヘキサンジオールを加えて、室温で20時間攪拌した後、生成した固体をCHCl_3で洗浄してネットワークポリマーを良好な収率で得た。IRスペクトルから、このポリマーはジオールが隣接トリカルボニル基に付加することによって架橋されたものであることが確かめられた。また、得られたネットワークポリマーをDMSO/水(9/1,v/v)溶液を50℃で6時間攪拌した後、減圧下、100℃で6時間加熱して揮発性分を留去することで元の隣接トリカルボニルポリマーがほぼ定量的に回収された。
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Research Products
(6 results)