2009 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素の特性を最大限に活用した、次世代材料の基幹となりうる革新的コア化合物の開発
Project/Area Number |
21350070
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
海野 雅史 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (20251126)
|
Keywords | シリコーン / 官能性シルセスキオキサン / 耐熱材料 |
Research Abstract |
本研究計画で定めた具体的なターゲット:8個の反応性置換基を有するかご状オクタシルセスキオキサンまたはかご状オクタシリケート('Octopus')、分子の両端に反応性置換基を有するラダーシロキサン('Gecko')、分子の外側に多数の反応性置換基を有するラダーシロキサン('Caterpillar')、分子の両側に無機物と有機物それぞれと反応する置換基を持つオクタシルセスキオキサンまたはオクタシリケート('Janus Cube')のうち初年度はOctopusとGeckoについて合成に成功した。 具体的には、p-トルイル基を有するかご状シリケートを合成し、それを新たに見出した方法で骨格を保ったまま酸化し、8個のカルボキシル基を有するかご状シリケートを初めて合成することができた。ケイ素-アリール基の結合は酸により開裂することは知られていたが、強い酸化剤によっても開裂が起こることが観測され、穏和な条件でメチル基をカルボキシル基に導くことがポイントであった。 また、環状シラノールとビニル基を有するジクロロシランの反応により、両端に有機反応部位であるビニル基を有するラダーシロキサンを合成することができた。さらに、ヒドロシランを両端に持つラダージロキサンの合成も行い、3環式の化合物の単離に成功した。ヒドロシランはヒドロシリル化により、多重結合を有する有機化合物と反応し、結合を形成することができる。そのため、広汎な有機物及び有機高分子との反応が可能であり、今後の展開が期待されている。合成したこれらの化合物については、実際に有機物と反応させLED封止剤としての用途を検討している。
|