2010 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素の特性を最大限に活用した、次世代材料の基幹となりうる革新的コア化合物の開発
Project/Area Number |
21350070
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
海野 雅史 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20251126)
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Keywords | シリコーン / 官能性シルセスキオキサン / 耐熱材料 |
Research Abstract |
本研究計画で定めた具体的なターゲットは以下の4種の化合物群である。 ・8個の反応性置換基を有するかご状オクタシルセスキオキサン('Octopus') ・分子の両端に反応性置換基を有するラダーシロキサン('Gecko') ・分子の外側に多数の反応性置換基を有するラダーシロキサン('Caterpillar') ・分子の両側に無機物と有機物それぞれと反応する置換基を持つオクタシルセスキオキサン('Janus Cube')このうち、昨年度までにOctopusとGeckoについて合成に成功しており、本年度はCaterpillarとJanus Cubeについて、合成に向けて詳細な条件検討を行った。 具体的にはCaterpillarの原料となる、反応性の置換基を有する環状シラノールの合成を検討し、新たに3つの新規化合物を合成した。さらに、環状シラノール自身の合成法の検討も行い、従来法のトリクロロシランからの加水分解・脱水縮合に加え、カリウム塩を単離してから、シラノールへ導く方法を検討し、より高収率で目的物が得られるようになった。 Janus Cubeについては、骨格を構成する2種類の環状シラノールの合成を行い、それをカップリングさせることにより目的物の単離を試みた。数多くの条件を検討し、反応により原料消失は確認できた。ただ、目的物を単離するためには、不純物の分離、より高収率の合成が必要であり、今後条件を検討することで、目的となるJanus Cubeの単離、さらには、種々の置換基を導入することを行っていく予定である。
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