2010 Fiscal Year Annual Research Report
先進的分子ブレーキ担持基板の作成とMaxwellデーモン型制動の実現
Project/Area Number |
21350076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 敬治 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10252628)
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Keywords | 分子ブレーキ / ロタキサン / 分子機械 |
Research Abstract |
本研究の目的は分子機械の熱による運動を制御する技術を開発することである。主な駆動力を熱エネルギーから得て、制御のためだけにエキストラのエネルギーを使う分子機械は高い効率の期待される先進的分子機械となる。溶液中での本制動研究を進めるとともに、この研究を基板上に展開し、分子機械の動きを外部シグナルとして取り出すことの出来る分子素子とする基盤技術とするための基板への担持の検討をする。担持後の制動が確認されれば、その性能に応じて駆動条件を最適化し、十分な大きさの外部シグナルを取り出すために必要な機構を明らかにし、小さな面積で駆動する分子ブレーキを実現する。22年度は、固体表面への担持用ロタキサン型分子ブレーキの改良をする計画を立てた。まず、ロタキサンを基板へ担持させるためのストッパー部位の開発をおこなった。ロタキサンを軸成分の一方に、昨年度に開発・検討した合成法をもちいて、鼎立型のアンカー部位を有する2種類のロタキサンの合成に成功した。このロタキサンを用いて溶液中での動的挙動を調査した。一方、本研究課題のベースとなる研究と今後の展望とを記した分子ブレーキ研究の総説論文の修正が済み出版された。また、本研究課題に関係する分析方法を記した書籍のブックチャプターの執筆を行い受理された。また、本研究における検討で得た知見を展開し、ロタキサンのシャトリング、ロッキング、および金基板への担持の検討結果をもとに学会報告を行った。
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Research Products
(10 results)