2011 Fiscal Year Annual Research Report
先進的分子ブレーキ担持基板の作成とMaxwellデーモン型制動の実現
Project/Area Number |
21350076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 敬治 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10252628)
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Keywords | 分子ブレーキ / ロタキサン / 分子機械 |
Research Abstract |
研究目的は、分子機械の熱による運動を制御する技術を開発することである。主な駆動力を熱エネルギーから得て、制御のためだけにエキストラのエネルギーを使う分子機械は高い効率の期待される先進的分子機械となる。溶液中での本制動を実現する研究を進めるとともに、この研究を担体(基板)上に展開し、分子機械の動きを外部にシグナルとして取り出すことの出来る分子素子とする基盤技術とするための担体への担持の検討をする。担持後の制動が確認されれば、その性能に応じて駆動条件を最適化し、十分な大きさの外部シグナルを取り出すために必要な機構を明らかにし、小さな面積で駆動する分子ブレーキを実現する。23年度は、固体表面への担持用ロタキサン型分子ブレーキのストッパー部位の開発によって、合成することが容易になった鼎立型のストッパーの大量合成手法の改良と、これを使った対称型のロタキサン、および非対称型のロタキサンの合成をおこなった。鼎立型のアンカー部位を有する3種類のロタキサンの合成に成功した。これらのロタキサンを用いて溶液中での動的挙動を調査した。一方、本研究課題の基礎となる分子機械を含む超分子の基本物性の分析方法を記したブックチャプターの執筆を行い受理されていたものが、ようやく出版にこぎ着けた。また、本研究における検討で得た知見を展開し、ロタキサンのシャトリング、ロッキング、および金基板への担持の検討結果をもとに学会報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究員が不足しているため、当初計画通りというわけにはいかないが、概ね、最終年度を迎えるこの時期にあって、本研究テーマの先を見通すのに必要な研究の進展具合になって来つつある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究員の不足を補うために、外部の研究機関や研究室の専門家とコンタクトを取り協力を要請する、あるいは企業への外注をする等で対応している。
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