2012 Fiscal Year Annual Research Report
先進的分子ブレーキ担持基板の作成とMaxwellデーモン型制動の実現
Project/Area Number |
21350076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 敬治 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10252628)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 分子ブレーキ / ロタキサン / 分子機械 |
Research Abstract |
本研究目的は分子機械の熱による運動を制御する技術を開発することである。このための新しい分子機械を設計し合成する計画を立てた。分子機械研究には、通常のサイズの機械のミニチュア化ではなく、分子サイズだからこその課題がある。その一つがブラウン運動を制御する技術開発である。応募者が開発したシャトリングやロッキング運動に対する分子ブレーキは、人工の分子機械として溶液中での初めての成功例であり、溶液中での制動研究を進めるとともに、この研究を担体上に展開できれば、分子機械の動きを外部シグナルとして取り出すことの出来る分子素子とすることに道を開くことが出来る。24年度は、非対称なロタキサン型分子ブレーキの大量合成と物性の評価、および金への担持の検討をする計画をたてた。まず、軸成分の末端部分の二つのストッパーのうちの一方として、担体との接合部分となるストッパーを導入した新しい軸分子を有するロタキサンの金への担持の昨年の検討結果を基に、担体表面への十分強固な固定化の理想である鼎立形の接合部分を形成するための鍵化合物となる安定中間体をグラム単位の十分な量を合成した。次に、スペーサー部分の長さの異なる軸分子の合成条件の検討をおこない、計画以上の7種類のスペーサーを有する軸成分構成分子を合成した。さらに、軸成分の最後の合成段階、すなわち一方の端にストッパーをつけた軸分子の合成に目処をつける段階に到達した。現在のところ、次のワンポット反応で目的の左右のストッパーが異なる低対称性のロタキサン合成が完成するところにある。得られるロタキサンのブレーキ効果の評価をしMaxwellデーモン型の制動素子の構築を確認する計画であったので、計画完遂の一歩手前まで到達していることになる。一方本研究を遂行する過程で得られた種々の研究成果の報告は、雑誌論文、学会および講演会において一般および招待講演あるいは図書にて行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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