2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350077
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
持田 智行 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30280580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 豊 東邦大学, 理学部, 教授 (20172629)
桑原 大介 電気通信大学, 研究設備センター, 准教授 (50270468)
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Keywords | イオン液体 / 相転移 / フェロセン / 磁性 / メタロセン |
Research Abstract |
本研究では、メタロセニウムカチオンを含む新しいイオン液体(メタロセン系イオン液体)の物質開発と機能開拓を目的としている。これらのイオン液体は遷移金属を組み込んだ機能性流体であり、中心金属種に応じ、磁性や色調、酸化還元電位などが変化する。本年度は、昨年度までに開発した各種メタロセン分子を基本骨格とし、特に化学反応性の開拓を念頭に置いた物質開発・評価を展開した。 第一に、ハーフメタロセン系イオン液体の化学反応性を検討した(論文1)。鉄カルボニル錯体をカチオンとするイオン液体を開発し、これらが無溶媒条件下で配位性ガスを吸収し、配位子交換を起こすことを見出した。この化学変換によって液体の物性(融点)が変化することを利用し、固体・液体の相転換が行えることを示した。熱分析によって、これらの配位子交換が、錯体がより安定化する方向に進むことを明らかにした。また、ルテニウム錯体をカチオンとするイオン液体が、触媒として有用であることを見出した。 第二に、アレーン骨格を導入したメタロセン系イオン液体の評価を行った(論文2)。前年度までの研究で、この系が安定なイオン液体を与えることが見出されている。今年度は、それらの熱物性評価を重点的に行い、分子の対称性と融点の相関を明らかにした。さらに、これらのイオン液体が持つ光反応性を検討した。 第三に、メタロセン系錯体に加えて、分子量が同程度の種々のキレート型錯体がイオン液体を与えることを見出した(特許出願1)。これらの分子形状と融点の相関、および環境応答性について検討した。
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Research Products
(22 results)