2009 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト界面吸着膜の相転移の機構と動的過程をメゾ・ミクロレベルで解明する研究
Project/Area Number |
21350078
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒殿 誠 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (20175970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 弘樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (00372748)
瀧上 隆智 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (40271100)
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Keywords | 表面光散乱 / リプロン波 / ヘテロダイン方式 / 表面粘弾性 / 表面張力 |
Research Abstract |
これまでもっとも高い時間分解能を報告している酒井らの手法(Rev. Sci. Instrum. 76, 063908, 2005)を装置の基本構成の参考として、リプロン波による表面光散乱装置を製作した。100mW程度の532nmYAGグリーンレーザ光を入射光と参照光にスプリットし、入射光をAO変調器で周波数シフトして水溶液表面で重ね合わせるヘテロダイン方式を採用した。また表面からの散乱光をアバランシェフォトダイオードで検出しスペアナでデータ収録した。得られたデータをLabViewで解析するシステムとした。さらにペルチェ素子を利用した測定表面部の温度調節器を製作し、表面の温度変化を可能なシステムとした。 純水/空気表面上での動作確認をすることにより光学系の極微調整を行った結果、ほぼ対称なストークス線とアンチストークス線が得られ、スペクトル解析の結果、十分な精度で表面張力値が得られることが示された。吸着膜が存在する系への適用を現在おこなっており、別測定の表面張力値を用いれば、拡張表面粘弾性の情報が得られるところまで明らかになった。これらの成果により今後のミリ秒表面ダイナミクスへの展開の目途がたった。
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