2010 Fiscal Year Annual Research Report
一軸異方性をもつ強誘電性表面分子超集合体の合成とそのデバイス機能
Project/Area Number |
21350082
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
芳賀 正明 中央大学, 理工学部, 教授 (70115723)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井塚 勝彦 中央大学, 理工学部, 助教 (50457438)
|
Keywords | 表面錯体 / 分子配向 / 分極ベクトル / 積層膜 / ルテニウム錯体 / 混合原子価 |
Research Abstract |
配位結合を用いた超分子集合体で溶液中から結晶を作製する場合、結晶格子内に分子の方向性を結晶全体として一方向に揃えることは難しいが、表面という二次元場で分極ベクトルを一方向に揃えて高次構造を形成することができれば、酸化還元などにより大きな分極変化を表面に誘起できる。そこで、四脚型ホスホン酸基をアンカー基としてもつビス(ベンズイミダゾリル)ピリジン三座配位子およびビス(ターピリジル)ベンゼン(btb)で架橋したレドックス活性二核錯体を固体表面に固定し、その配向についてAFMで検討したところ、分子は表面に対して分子軸を垂直にして配向していることがわかった。さらに、表面単分子膜上の配位基とジルコニウムイオンとの錯形成を利用して配位結合を利用した分子の逐次積層化を行った。単純な溶液浸積により積層化でき、ベクトル的な成長が表面で可能であることがわかった。また、金属間相互作用の強い架橋配位子系としてテトラピリジルピラジン(tppz)を用いることで、2段階1電子酸化によりM(II)-M(III)混合原子価状態を安定に表面に作製できることがわかった。表面に固定されたM(II)-M(III)混合原子価錯体の場合、外場により表面で錯体がどのような分極応答をもつかKFMにより今後検討していく予定である。酸化電位が低い錯体は低電位駆動が可能であるので、新たにRu-C結合を導入したオルトメタル化錯体を合成した。テトラ(ベンズイミダゾリル)ジフェニルを架橋基とするルテニウム二核錯体では酸化電位が約0,4V負電位側にシフトすることがわかった。二電極間での伝導度測定からはbtp架橋錯体よりtppz錯体の方が高い伝導性を示すことがわかった。また、プロトンに応答して金属間相互作用が変化する二核錯体系を新たに合成し、その金属間相互作用について詳細に検討した。
|