2010 Fiscal Year Annual Research Report
膜型反応器とマイクロ波照射の融合による化学反応の高効率化
Project/Area Number |
21350085
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 剛一 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学システム研究センター, 主任研究員 (80371045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 将輝 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学システム研究センター, 研究員 (00282575)
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Keywords | 触媒反応 / マイクロ波 / 膜触媒 / 膜分離 / メンブレン |
Research Abstract |
本研究は、ガス流通式の固体触媒反応をより効率よく進行させるため、膜型反応器とマイクロ波照射技術を組み合わせた新規な反応手法を提案し、その実現に向けた基盤研究を行うものである。当該年度は、前年度までの成果をベースとして、マイクロ波照射を膜型反応器に適用するにあたっての制御技術、マイクロ波照射効果の基礎的知見、さらにマイクロ波照射による触媒反応効率化の実証について研究を推進した。マイクロ波照射下での流通型気相膜触媒反応に適した装置として、従来製作した10mm反応管に加えて、新たなマイクロ波照射空間設計を行い、2mm径のチューブにもマイクロ波を集中して均一照射することを可能とさせた。ここで、一般的な2.45GHzに加え2~6GHzのマイクロ波照射技術も構築した。また、マイクロ波の加熱モードとして、これまでの誘電加熱に加えて、磁界を均一に発生させ膜表面に生ずる誘導電流を利用した加熱(磁界利用加熱)も可能なデバイスを製作した。これによって、従来は加熱が困難とされてきた金属薄膜の加熱も可能とし、膜触媒反応の適用範囲を大きく広げることができた。膜触媒としてパラジウム金属膜や銀薄膜などを対照にガス分離、水素化反応、脱水素反応を実施し、各種金属膜の加熱挙動や、分離、反応特性の違いなどマイクロ波照射効果についてデータを蓄積した。担持金属粉体触媒に関しても、各種の金属種、担持量の違いや、触媒の充填希釈剤の影響などについて、マイクロ波吸収特性を調べた。また流通式エタノール改質反応などの気相固体触媒反応にマイクロ波照射を利用し、電気炉に比べて優れた昇温・降温特性、マイクロ波による反応促進効果などを確認し、マイクロ波利用反応が従来報告されている液相合成反応に限らず、工業的に重要な気相流通反応でも有効であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)