2009 Fiscal Year Annual Research Report
ニトリルヒドラターゼファミリー酵素の触媒中心形成と触媒機構の解明
Project/Area Number |
21350089
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
尾高 雅文 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (20224248)
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Keywords | 酵素反応 / 構造生物学 / 中性子 / 生物・生体工学 / バイオリアクター / X線結晶構造解析 / 翻訳後修飾 / タンパク質成熟化 |
Research Abstract |
ニトリルヒドラターゼ(NHase)はアクリルアミドの工業生産に利用される重要な酵素であるが、その触媒反応機構は未解明である。本研究では、NHaseと類縁酵素であるチオシアネート加水分解酵素(SCNase)を材料に、その触媒反応機構と翻訳後修飾を含む金属触媒中心形成機構を明らかにすることを研究目的とする。今年度はNHase触媒中心を形成するセリン配位子と近傍に存在するチロシン残基の水酸基を除去した変異体を作成し、触媒機能に対する影響を構造科学的に解析した。その結果、セリン配位子は基質ポケットの水素結合ネットワーク形成に重要であるが、触媒反応に必須ではないことを明らかにした。更に、中性子構造解析に必要なNHase巨大結晶の作成条件を検討し、従来より体積比で20倍大きな結晶を調整可能な条件を見いだした。SCNaseに関しては、組換え体発現条件をコントロールすることにより、システインスルフィン酸(Cys-SO2H)とシステインスルフェン酸(Cys-SOH)の翻訳後修飾うちCys-SO2H修飾のみを有する酵素を調製して空気酸化させることにより、システインスルフェン酸(Cys-SOH)修飾が触媒活性に不可欠であることを明らかにした。また、金属触媒中心形成機構に関しては、SCNase成熟化に必要なアクセサリタンパク質が金属結合サブユニットと複合体を形成し、その後にコバルトイオンを結合することを明らかにした。
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Research Products
(13 results)