2010 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジー手法による腸内常在菌への抗原提示と粘膜ワクチンへの展開
Project/Area Number |
21350090
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
貞許 礼子 お茶の水女子大学, お茶大アカデミック・プロダクション, 特任助教 (50372264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸田 敏明 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (20170186)
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Keywords | バクテリア / グラム陰性細菌 / O抗原 / 生体機能利用 / 生体分子 |
Research Abstract |
申請者は生きたバクテリアの表層に目的の機能性官能基を提示する「バクテリア表層の化学改変技術」を開発・改良し、すでに特に乳酸菌などのグラム陽性菌に効果的な手法をみいだしている。また、この化合物は、動物細胞には影響を与えないことをこれまでの研究で確かめていた。腸管常在菌は腸管から効率よく樹状細胞などに取り込まれることがわかっており、本手法は遺伝子組み換えを使わない新しい視点での粘膜ワクチンの基礎技術として期待できる。本年度は、この技術のin vivoでの応用を考えて、新たにグラム陰性菌の表面修飾に効果的な化合物についての検討を進めた。 ケトン基を持つN-レブリノイルーグルコサミン-1-リン酸誘導体のうち、水酸基をアセチル保護した化合物はグラム陽性菌の細胞壁にとりこまれるが、グラム陰性菌では細胞壁の外側に外膜が存在するので、その透過性が問題となっていた。そこで、アセチル保護していないN-レブリノイル-グルコサミン-1-リン酸誘導体について、様々な大腸菌で検討した。その結果、外膜の0抗原にN-アセチルグルコサミン部位があると判明している菌株について、効果的にケトン基を提示できていることが、ケトン基と特異的に結合する蛍光剤を作用させてからフローサイトメータで解析することによって判明した。0抗原の抗原糖鎖リピーティングユニットが生合成される際に、N-アセチルグルコサミンの代わりに導入されたと考えられるので、その実証を今後進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)