2012 Fiscal Year Annual Research Report
光るRNAモジュールをタグとするRNAの動的挙動解析
Project/Area Number |
21350091
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
青山 安宏 同志社大学, 理工学部, 教授 (00038093)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | RNA / 蛍光 / BODIPY / カナマシシン / 抗生物質 / リボソーム / 抗生物質修飾酵素 / 大腸菌 |
Research Abstract |
弱蛍光性の色素と、これを特異的に捕捉し強蛍光を誘起する核酸(RNA)配列のペアからなる“光るRNAモジュール”を開発し、これをRNAの転写解析に応用することが本研究の目的である。色素としてカナマイシン置換フェニル-BODIPYを、RNA配列として既知のカナマイシンアプタマー(RNA)を選び両者の相互作用を検討したところ、約2倍の蛍光増強が確認できた。抗生物質であるカナマイシンの本来の標的は菌体のタンパク合成に関わるリボソームである。リボソームはリボソ-ムRNAを含む巨大分子であり、色素との相互作用に際してより大きな立体規制したがって蛍光オン化が期待できる。このような視点からリボソームと表題色素との相互作用を調べたところ、両者が強く結合しかなり大きな(5倍)蛍光増強をもたらすことが明らかになった。細胞内での機能発現を念頭に、この色素と大腸菌との相互作用を調査したところ、この色素は容易に菌体に進入しリボソームを蛍光標識できるが、タンパク合成を阻害しないこと、すなわち、“生きた”大腸菌リボソームの特異的蛍光標識剤としてこの色素が使えることが判明した。 本系の狙いは、相互作用に起因する立体規制を通じ色素の分子内運動(フェニル-BODIPY単結合周りの回転)を阻害することにより色素の蛍光量子収率を高めることである。結果として大きな(10倍以上)の蛍光増強は達成されず、本系を細胞内の転写解析に応用することはできなかったが、抗生物質置換色素の容易な細胞進入なども含め、そのための有用な基礎知見は蓄積できた。一方で、人工亜鉛フィンガータンパク質を用いてウイルスの複製を転写抑制により達成することにも成功している。この点に鑑みれば、転写により生成するRNAを直接蛍光モニターできるツール開発はますますその重要性を増している。本研究はこの目的に対して重要な一歩を築いたものと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)