2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350092
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
跡見 晴幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243047)
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Keywords | 転写制御因子 / 遺伝子破壊 / regulon / 超好熱菌 / 始原菌 / Thermococcus kodakarensis / プロモーター / ゲノム |
Research Abstract |
今年度も超好熱性アーキアThermococcus kodakarensisのゲノム上遺伝子のうち、転写制御因子として機能推定されているものを順次破壊し、各転写制御因子の支配下にある遺伝子集合(regulon)を確定した。ArsR familyに属する因子をコードする遺伝子はゲノム上に計12個存在し(TK0086,TK0225,TK0559,TK1041,TK1086,TK1261,TK1826,TK1881,TK1883,TK1913,TK2190,TK2291)、いずれも破壊可能であり、破壊株・宿主間のトランスクリプトーム比較を行うことができた。また昨年度の研究を通じて、TK1041およびTK1881が多くのprotease遺伝子を含む非常に類似したregulonを示すことが判明したが、詳細なin vitro結合実験を進めることにより、これらprotease遺伝子のpromoterに直接結合しているのはTK1881産物であることがわかった。TK1881とTK1041の産物は相互作用を示さず、TK1041タンパク質は情報伝達系のより上流で作用していることが明らかとなった。双方ともに自分自身の遺伝子の転写を抑制していることも明らかとなった。また特定のpromoterに結合する転写制御因子を網羅的にスクリーニングできる系も開発できた。この系を利用してTK0271産物がtrpオペロン、TK1246産物・TK1259産物がperoxiredoxin遺伝子、TK1494産物・TK2273産物がRubisco遺伝子、TK2259産物がTK1899遺伝子に結合することなどがわかり、各転写制御因子の破壊を進めた。さらに全遺伝子の転写産物量を評価することによりゲノム上の各プロモーターの強度を明らかにし、強力なものに関してはそれらの利用も検討した。本研究の成果により多数のregulonが確定でき、regulonに含まれる機能未知遺伝子について、それらが関与する生命機能を示唆することができた。
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