2010 Fiscal Year Annual Research Report
点突然変異やSNPを分子標的とする遺伝子診断・遺伝子治療用機能化核酸の開発
Project/Area Number |
21350093
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 章 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (60210001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山吉 麻子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (70380532)
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Keywords | 遺伝子 / 核酸 / バイオテクノロジー / 細胞・組織 / 蛋白質 / 遺伝子診断 / 蛍光核酸プローブ / ピレン |
Research Abstract |
遺伝子の点変異検出・遺伝子治療用機能化核酸開発研究について、以下のような成果を得た。 1. 患者由来DNAを用いた点突然変異の検出:京都大学病院において骨髄増殖疾患の疑いのある患者由来のDNA試料(インフォームドコンセンサス済み)を用い、発症に関与すると考えられているJAK2遺伝子の一塩基変異を、ピレン修飾核酸プローブを用いて検出を試みた。予備検討により本プローブは変異率1%まで判定できることを明らかにした。検体DNAを用いた検出結果、健常人由来の検体に比べ、患者由来の検体を対象とした場合、55%において著明な蛍光発光の差異を認めた。残り45%はJAK2以外の原因による疾患症状と判断され、開発中のプローブが臨床診断に有効であることが示唆された。次いで、白血病細胞中のJAK2-mRNAに存在する点突然変異を検出すべく、新たな蛍光RNAプローブをデザインし、モデル系で検討を開始した。 2. 細胞を用いた生細胞内RNAの検出原理の開発:がん細胞中の初期応答遺伝子の発現プロファイルの時系列検出手法の技術的改良を進め、一般的なRNA発現系においても適用を行った。結果を論文として公表した。さらに新たなトランスクリプトーム系(核酸医薬品機能評価を含む)への適用を行うべく実験系を構築した。 3. ショウジョウバエ初期胚を用いたin vivo mRNAイメージング:ショウジョウバエ初期胚を固定した試料を用い、発生直後からの遺伝子発現態様をピレン修飾核酸プローブを用いて評価した。これまでに報告されてた部位以外にも対象mRNAが発現していることが示唆される結果を得た。 4. 点突然変異RNAの選択的制御によるガン細胞増殖抑制原理の確立及び試薬開発:新規光架橋性アンチセンス分子を数種類デザインし、その遺伝子制御能を検証した。さらにRISCを対象として検討を開始した。
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Research Products
(23 results)