2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体単一結晶ドメイン素子の作製とテラヘルツ波イメージングへの応用
Project/Area Number |
21350099
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 雅一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (80332568)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松末 俊夫 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 講師 (20209547)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | テラヘルツ/赤外材料・素子 / 結晶工学 / 先端機能デバイス / 有機半導体 / 半導体物性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大きなキャリア輸送障壁のないOFETの作製法を確立し、大面積フレキシブルTHzイメージングデバイスを創出するための基礎的な知見を得ることである。そのために、(1)グラフォエピタキシー効果を利用し、微小なバンド端ゆらぎを残したまま大きなキャリア輸送障壁が無いOFETを作製する方法の研究、ならびに、(2)有機電界効果トランジスタ(OFET)におけるゲート電場誘起キャリアによるTHz帯分光学的研究の2サブテーマを平行して行ってきた。 (2)の実験について完成度を高め、OFETの有機層中に電場誘起された自由ホールによる明確なTHz帯吸収スペクトルを得ることに世界で初めて成功した。2THzまでの範囲でフォトンエネルギーが増加するに従ってTHz吸収が緩やかに増加しており、ゆらぎポテンシャルの底に集中している自由ホールがTHz波からエネルギーを得て隣接する障壁を乗り越える過程が観測されていると考えられる。また、THz波の総吸収量が電界効果移動度によらずOFET中の自由キャリア量に比例することも確認された。これらの結果は、OFETチャネル部に誘起されたキャリアが確実にTHzフォトンによって励起されていることを表すものである。さらに、(1)の成果を利用したペンタセン薄膜についてOFETを作製し、大きなキャリア輸送障壁を減らした状態でTHz帯吸収スペクトルを測定した。スペクトル形状に変化が生じたが、これについてはより詳しい実験を続ける。加えて、THz帯でのOFET構成材料の複素誘電分散を測定し、これをもとにFDTD法による電磁界シミュレーションによって、有機層中THz電場強度の周波数依存性とそこでの電極パターンの影響を調べた。これらの結果によってOFET型THz波センサの基本要素技術と研究手法は確立したことから、今後THz波イメージングデバイス実現に向けて研究を発展させる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(16 results)