2010 Fiscal Year Annual Research Report
合理的な分子設計に基づいた高効率色素増感太陽電池の創製
Project/Area Number |
21350100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今堀 博 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (90243261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅山 有和 京都大学, 工学研究科, 助教 (30378806)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / ルテニウム錯体 / フタロシアニン / ポルフィリン / キノキサリン / シリコン太陽電池 / 酸化チタン / エネルギー変換効率 |
Research Abstract |
化石燃料の枯渇への懸念と環境問題への関心の向上に伴い、シリコン太陽電池の実用化が始まっている。しかしながら、シリコン太陽電池は高純度シリコンの製造費用が高いという根本的な問題点を抱えている。一方、シリコン太陽電池に変わる太陽電池として色素増感太陽電池が注目されている。色素増感太陽電池は安価に製造でき、カラフルで、しかもフレキシブルという特徴を有する。現在までにルテニウム錯体と多孔性酸化チタンを用いた系において11%を越える高いエネルギー変換効率(h)が報告されている。しかし、ルテニウムは高価で、資源制約もある。そのため、ルテニウム錯体に変わる安価で高性能な色素の開発が求められている。そこで安価な金属を利用できるフタロシアニン・ポルフィリン錯体に注目した。フタロシアニンについては、300-400mにソレー帯、600-700nm付近にQ帯の強い吸収帯を有するが、分子の平面性による強い会合のため、電子注入効率を低下させてしまう問題がある。そこでβ位にメシチル基を導入した色素、また2個のアンカー基を導入した色素を用いることで、会合を抑え効率良く電子注入ができるのではないかと考えた。また、ポルフィリンは400-450nm付近に強いソレー帯、550-600nm付近に比較的強いQ帯を示すが、500nm付近、600nm以上の波長領域において光捕集能が十分ではない。我々は、β位にキノキサリンを導入することでパイ系を拡張したポルフィリンを用いて6.3%の変換効率を達成している。そこでさらなる光捕集能向上のため、キノキサリン部位を2個導入したポルフィリンを合成した。セル性能を評価した結果、フタロシアニン系で2.5%、キノキサリンポリフィリン系で4.7%の変換効率を達成できた。
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Research Products
(5 results)