2011 Fiscal Year Annual Research Report
合理的な分子設計に基づいた高効率色素増感太陽電池の創製
Project/Area Number |
21350100
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今堀 博 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (90243261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅山 有和 京都大学, 工学研究科, 助教 (30378806)
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Keywords | 有機太陽電池 / 色素増感太陽電池 / カーボンナノチューブ / グラフェン / ポルフィリン / 半導体電極 / 酸化亜鉛 / 電子移動 |
Research Abstract |
有機トランジスタ、有機太陽電池において、有機薄膜中のグレイン内の配列は制御できても、グレイン間の電荷輸送に劣るために、電流を効率よく外部に取り出すことは困難である。そこで、有機溶媒に分散可能な化学修飾単層カーボンナノチューブを用いて、ドナー・アクセプターからなるナノメートルサイズの微粒子を自己組織化的に架橋し、光照射下での光電流増幅効果を色素増感太陽電池において検討した。その結果、ドナー・アクセプターナノ微粒子間を化学修飾単層カーボンナノチューブで架橋した3元複合体を酸化スズ半導体電極に泳動電着した場合、化学修飾単層カーボンナノチューブがない参照系よりも約2倍の光電流増幅効果が観測された。以上より、カーボンナノチューブは1次元状の電荷輸送材料として優れた特性を有していることを見いだした。一方、グラフェンは2次元状の電荷輸送材料としての利用が期待されているが、有機・無機材料との階層的な複合化は困難であり、またグラフェンのパイ電子系がどの程度電荷輸送能に影響を与えるかよくわかっていない。そこで無機・有機材料の超分子的な自己組織化を介して、亜鉛ポルフィリン、酸化亜鉛ナノ粒子、部分還元された酸化グラフェンを階層的に酸化スズ半導体電極上に組織化させた。その結果、この3元複合体は電極上で亜鉛ポルフィリン励起状態から酸化亜鉛ナノ粒子、部分還元された酸化グラフェンと順次電子移動を移動させることで高い光電変換特性を色素増感太陽電池において示すことが明らかになった。また、酸化亜鉛ナノロッド電極にポルフィリンを自己組織化し、その組織化状態と光物性との相関を解明できた。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Carbon Nanotube Wiring of Donor-Acceptor Nanograins by Self-Assembly and Efficient Charge Transport2011
Author(s)
T. Umeyama, N. Tezuka, F. Kawashima, S. Seki, Y. Matano, Y. Nakao, T. Shishido, M. Nishi, K. Hirao, H. Lehtivuori, N. V. Tkachenko, H. Lemmetyinen, and H. Imahori
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Journal Title
Angew. Chem. Int. Ed.
Volume: 50
Pages: 4615-4619
DOI
Peer Reviewed
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