2009 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-非水電解質界面の機能設計による高エネルギー密度キャパシタの構築
Project/Area Number |
21350101
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森田 昌行 Yamaguchi University, 大学院・理工研究科, 教授 (70136167)
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Keywords | 電気化学キャパシタ / 炭素材料 / 表面修飾 / 高エネルギー密度 / 容量発現機構 |
Research Abstract |
1. 炭素-非水電解質界面での静電容量の発現機構解析 物質移動の影響が少ない平滑表面を持っ炭素電極を用い, 有機溶媒電解液中での電気二重層容量を直流法と交流法により測定した。容量に及ぼす電解液組成の影響から,容量発現には界面での電気二重層の厚さの寄与が大きいことを明らかにした。また, ソフトカーボンと呼ばれる比表面積の比較的小さい材料においても適切な電気化学処理により大きな静電容量が発現する現象を確認した。 2. レドックス活性種による高表面積炭素の修飾効果 比表面積の大きな活性炭に種々の方法で金属酸化物(RuO_2, TiO_2)または導電性ポリマーを担持・複合する方法を検討した。水性電解質または有機溶媒電解液中での静電容量を評価し,複合化の妥当性を検証した。RuO_2は従来,水溶液電解質中に限って擬似容量(レドックス過程に基づく容量)を発現すると考えられていたが,有機非水電解液中でも適切な組成を選択することにより擬似容量を発現することを見出した。また,RuO_2, TiO_2,導電性ポリマーいずれの場合も、炭素材料との複合化方法を工夫することで、二重層容量と擬似容量の両者を引き出すことができることを明らかにした。 3. 炭素表面における大容量化構造の設計 前2項で得られた知見に基づき,炭素材料の構造設計により大容量化を実現する手法を提案した。炭素前駆体の焼成により炭素材料を生成する際,適当な界面活性剤を共存させることにより,メソ孔領域で構造規制された高表面積炭素を得ることに成功した。焼成条件と炭素細孔構造の関係を明らかにした。一方,ポリマーベースの前駆体から得られる易黒鉛化炭素材料においては,焼成後のアルカリ賦活処理と有機電解液中での分極処理により,静電容量が飛躍的に増加する現象を確認した。静電容量の増加には,電解質中のイオンと溶媒の種類が大きく関係することを見出し,高容量化のための手法として有効であることを実証した。
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Research Products
(13 results)