2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350113
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山根 久典 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (20191364)
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Keywords | 酸化物 / 蛍光体 / 結晶構浩 / 励起・発光 / 粉末X線回折 / ホウ酸塩 |
Research Abstract |
スピン分極を考慮した電子構造の観点から、新たな蛍光発光材料の開発に結びつく現象の理解と材料探索指針の開拓が期待されている。本研究では、多成分系の酸化物や窒化物、酸窒化物を、雰囲気を制御した固相反応法やナトリウムフラックス法で合成し、発光イオンとしてMnを付活した新しい蛍光体の探索を行うことを目的とする。 本年度は、新たなMn付活蛍光体の探索対象として、大きなバンドギャップを持つMg_2B_2O_5のMg^<2+>をMn^<2+>で置換した化合物を合成し、置換による結晶構造の変化と、励起・発光スペクトルの測定を行った。 (Mg_<1-x>Mn_x)_2B_2O_5でxが0、0.03、0.07、0.10で合成された試料の粉末XRDパターンは、三斜晶系(空間群P-1)と単斜晶系(空間群P2_1/c)の格子定数で指数付けされた。リートベルト解析によって精密化された単斜晶系Mg_2B_2O_5の格子体積は343.2Å^3となり、Mn置換量xに依らず一定で、三斜晶相の格子体積がxとともに増加したことより、Mnは三斜晶系Mg_2B_2O_5のMgを置換していることが示された。 (Mg_<1-x>Mn_x)_2B_2O_5(0<x〓0.30)は414nmの波長で約670nmにピークを持つブロードな発光を示し、発光波長はMn量に依存しなかった。励起スペクトルに見られた350と370nmのピーク波長で励起した場合も、約670nmの発光が観測された。よって、この発光はMn^<2+>イオンの^4T_<1g>(G)-^6A_<1g>(S)のd-d遷移に起因するものと考えられる。発光強度は、x=0.05において最大となった後、xの増加に伴って低下し、x=0.30において最大値の約20%となった。
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Research Products
(4 results)