2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350115
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
今西 誠之 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20223331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 敦 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60324547)
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Keywords | 固体電解質 / 全固体電池 / 界面抵抗 / 活性化エネルギー / 相互拡散 / 電位窓 / ガーネット / NASICON |
Research Abstract |
酸化物正極材料と固体電解質の接合界面をスパッタリング法を用いて構成し、インピーダンス測定により界面抵抗と熱処理温度の関係について検討した。測定用セルの構成はアノード側電解質がEC-DEC、カソード側がLATPとなるLi/EC-DEC/LATP/LiCoO_2とした。30℃において固体電解質LATP、液体電解質EC-DEC、L.ATP/EC-DECの界面抵抗、Li/EC-DECの界面抵抗の成分は10^2-10^6Hzの間に存在した。求めるLATPとLiCoO_2の界面抵抗は10^0-10^2Hzの領域に見出された。 正極の結晶性と接触性を高めるため、界面熱処理温度の影響を調査したところ処理温度が高くなるほど界面抵抗値が増大した。界面反応相の形成がイオン移動を阻害すると考えられる。LATPとLiCoO_2の界面抵抗の活性化エネルギーは処理温度の違いによって50~70kJmol^<-1>の値で変化した。300℃では50kJmol^<-1>と低い値を示すことから、LATPとLiCoO_2の反応相内のイオン移動にはより大きなエネルギーが必要であることが分かった。 V_2O_5やNb_2O_5を負極材料として固体電解質と組み合わせて同様に界面の検討を行った。これらは正極よりも反応が起こり易いため200~400℃という低い熱処理温度で界面抵抗と活性化エネルギーの見積もりを行った。結果として熱処理により界面抵抗は小さくなるが、活性化エネルギーはほとんど変化がなかった。界面の反応相のイオン導電性は高く、熱処理による接触性の向上が抵抗低減に役立つと考えられる。従って非晶質でも作動可能な電極材料は高温熱処理が不要となり、全固体電池の負極として利用しやすい。ただし、負極材料として電位が卑なものを適用できないという電解質の課題があり、今後電位窓の広いガーネット型酸化物等、固体電解質の探索が重要になる。
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Research Products
(4 results)