2009 Fiscal Year Annual Research Report
ソルボサーマル反応による硫化物ナノ粒子の合成と酸素還元触媒の開発
Project/Area Number |
21350116
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
柳澤 和道 Kochi University, 教育研究部・自然科学系, 教授 (90145110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小槻 日吉三 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (80093954)
恩田 歩武 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 助教 (80335918)
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Keywords | 硫化物 / ソルボサーマル反応 / 水熱反応 / 酸素還元触媒 |
Research Abstract |
キシレンを溶媒とするソルボサーマル反応と水を溶媒とする水熱反応を利用して,ロジウムカルボニルと固体イオウから硫化ロジウムの合成を行なった。イオウの添加量が少ない場合にはRh_17S_15が,多い場合にはRh_2S_3が生成し,原料のRh:S比により生成相を変化させることができることを見出した。結晶性の高い硫化ロジウムを合成するためには,両方法とも350から400℃の比較的高温が必要であった。水熱反応では原料のロジウムカルボニルの形状を有する凝集体として生成物が得られたが,キシレンを溶媒とするソルボサーマル反応では100nm程度の大きさの単結晶粒子が軽く凝集した状態で生成物が得られ,触媒合成のためにはソルボサーマル反応の方が適していることがわかった。得られた結果は,2報の論文としてまとめ国際会議でも発表した。一方,溶媒を変化させてソルボサーマル反応を実施したところ,アルコール系の溶媒を用いることにより得られた生成物が、大きさの揃った単分散真球粒子になることを見出した。アルコールの種類を変化させることにより,硫化ロジウム微結晶の球状凝集体の大きさを数十から数百nmの大きさに制御可能であった。 ソルボサーマル反応を他の硫化物の合成に応用するために,ルテニウムやモリブデンのカルボニルと固体イオウを原料として合成実験を行なった。ルテニウムやモリブデンの硫化物は,合成温度が高くとも低結晶性物質として生成した。また,アルコール類を溶媒とすることにより,ロジウムの場合と同じように,単分散した球状粒子として生成することがわかった。現在,この球状粒子の生成機構について検討を続けている。 炭素(ケッチェンブラックEC300J)を添加してルテニウム硫化物をソルボサーマル反応により合成し,その触媒特性を評価したところ,酸素還元性を有することが確認できた。現在,イオウ添加量,合成温度,仮焼温度を変化させて触媒を合成し,合成条件が酸素還元特性におよぼす影響について研究を行なっている。
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