2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲル法を用いた電子・イオン・光機能を有する層状複水酸化物薄膜の創製
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21350118
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
忠永 清治 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (90244657)
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Keywords | 層状複水酸化物 / ゾルーゲル法 / 温水処理 / 陰イオン交換体 / 薄膜 / 炭酸イオン / イオン伝導性 / 電極材料 |
Research Abstract |
層状複水酸化物(LDH)は、様々な陰イオンを層間に挿入できることが知られている陰イオン交換体である。このLDHは通常、沈殿として作製されるが、コーティング膜として様々な基材の上に形成できれば、LDHの応用が広がることが期待される。 本研究では、様々なアニオンが挿入されたLDH薄膜を作製し、その作製条件が結晶成長に及ぼす影響について検討した。 多くのアニオンを用いて温水処理した場合には、基板に対して垂直方向に結晶成長するが、ドデシル硫酸イオンを添加した場合にのみ、結晶は基板と平行方向に成長し、x線回折測定において非常に強い回折線が得られることがわかった。 様々なアニオン性有機色素の挿入について検討したところ、Brilliant Blue FCF、 Fast Green FCF、Bordeaux S、 Pyraninなどの末端にスルホ基を有する有機色素がZn-Al系LDHに容易に挿入され、様々な色に着色した薄膜を容易に形成できるることが確認された。また、これらの色素の種類によって、成長する結晶の大きさも大きく変化することが確認された。 一方、Mg-A1系LDHに関して、イオン伝導性について検討を行った。炭酸イオンが挿入されたMg-Al LDHは、水蒸気濃淡電池の起電力測定結果から、水酸化物イオンが伝導種であることが証明された。アルカリ型燃料電池の全固体化につながる極めて重要な発見であり、さらに、今後、薄膜化による様々な電気化学素子への展開が期待できる。
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