2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲル法を用いた電子・イオン・光機能を有する層状複水酸化物薄膜の創製
Project/Area Number |
21350118
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
忠永 清治 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (90244657)
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Keywords | 層状複水酸化物 / ゾル-ゲル法 / 温水処理 / 陰イオン交換体 / 薄膜 / 炭酸イオン / イオン伝導性 / 電極材料 |
Research Abstract |
層状複水酸化物(LDH)は、様々な陰イオンを層間に挿入できることが知られている陰イオン交換体である。このLDHは通常、沈殿として作製されるが、コーティング膜として様々な基材の上に形成できれば、LDHの応用が広がることが期待される。 本研究では、光学的な応用を目指して、様々な有機色素が挿入されたLDH薄膜の作製を試みるとともに、挿入される有機分子の構造が結晶成長に及ぼす影響について検討した 蛍光色素であるスルホローダミンB(SRB)がインターカレーションされたLDH薄膜を作製した。SRBのみが挿入された薄膜は層間での会合体の生成によりほとんど蛍光を示さないが、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)とのコインタカレーション、あるいはDBSが挿入された結晶を析出させてからアニオン交換によりSRBを挿入した場合には、強い発光がみられることがわかった。 また、昨年度見出したドデシル硫酸ナトリウムだけでなく、DBSを挿入した場合にも、結晶は基板と平行方向に成長し、x線回折測定において非常に強い回折線が得られることがわかった。 一方、Ni-Al系LDHに関して、イオン伝導性について検討を行った。炭酸イオンが挿入されたNi-Al LDHは、水蒸気濃淡電池の起電力測定結果から、水酸化物イオンが伝導種であることが証明された。また、Mg-Al系LDH、Zn-Al系LDHおよびNi-Al系LDHがアルカリ形ダイレクトエタノール燃料電池の電解質、あるいは触媒層におけるアイオノマーとして機能することがわかった。さらに、今後、薄膜化による様々な電気化学素子への展開が期待できる。
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