2009 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法によるナノシート作製とその応用
Project/Area Number |
21350121
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鈴木 章泰 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70216357)
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Keywords | ナノファイバー / ナノシート / 炭酸ガスレーザー超音速延伸法 / マルチ延伸法 / レーザー光学系 / PET / PLLA / フッ素系樹脂 |
Research Abstract |
「研究の目的」 現行の炭酸ガスレーザー超音速延伸法を発展させ、複数本の繊維を同時にナノファイバー化できる「炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法」を確立し、実用化可能なナノシート作製法の基礎的な知見を得ることを目的とする。さらに、本成果を基にナノシートの大型量産装置の開発につなげる。 「研究実施計画」 CO_2レーザー超音速延伸法のマルチ化には、複数本の繊維にレーザーを均一に照射できる光学系を開発することが最も重要な検討課題である。本年度は1.レーザー光の光学系の検討、2.オリフィスおよびナノファイバー捕集法の検討を行った。 1.レーザー光の光学系の検討 まず、可動ミラーを振ることでビーム幅を広げるガルバノミラースキャナーを検討した。その結果、ガルバノミラースキャナーでは、ビーム幅を広げることが出来るが、レーザーが放射線状に広がるためにミラーからの距離が大きくなると、レーザー強度密度が減少する。そのため、繊維加熱が不十分になり、ナノファイバー化できないことが明らかになった。また、多面体ミラーを高速で回転させるポリゴンミラーでも、同様にことが考えられる。そこで、ミラーを平行に振動させる新たな手段を考案し、現在、検討中である。 2.オリフィスおよびナノファイバー捕集法の検討 有限要素法に解析により得られた超音速流の速度分布を元にオリフィスの配置を検討し、複数の繊維供給用の細孔を開けた板状のオリフィスを作製した。この板状オリフィスには、17個のオリフィスを配置し、17本の繊維が均一にナノファイバー化できるレーザー照射条件を検討した。その結果、レーザー光に対してオリフィス板を僅か傾けることで、17本の繊維を同時にナノファイバー化できることを明らかにした。また、得られたナノファイバーをネットコンベアー上に捕集でき、ナノシートの作製が可能となった。
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Research Products
(13 results)