2010 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法によるナノシート作製とその応用
Project/Area Number |
21350121
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鈴木 章泰 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70216357)
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Keywords | ナノファイバー / ナノシート / 炭酸ガスレーザー超音速延伸法 / マルチ延伸法 / レーザー光学系 / PET / PLLA / フッ素系樹脂 |
Research Abstract |
「研究の目的」現行の炭酸ガスレーザー超音速延伸法を発展させ、複数本の繊維を同時にナノファーバー化できる「炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法」を確立し、実用化可能なナノシート作製法の基礎的な知見を得ることを目的とする。さらに、本成果を基にナノシートの大型量産装置の開発につなげる。 「研究実施計画」 1. CO_2レーザー超音速マルチ延伸装置の大型化 実用化可能なサイズのナノシートを作製できるCO_2レーザー超音速マルチ延伸装置を開発するために、装置のスケールアップを行った。ここでは、装置の大型化に伴い、新たに40Wの高出力レーザーを用い、レーザー光学系の開発とともに20~30本の繊維を同時にナノファイバー化できる大型の装置を開発した。 2. CO_2レーザー超音速マルチ延伸装置における作製条件の最適化 新たに作製した炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸装置を用い、ポリエチレンテレフタレート、ポリフロピレンやフッ素系樹脂などの各繊維について、(1) 繊維供給速度、(2) レーザー出九、(3) オリフィス径、(4) 到達真空度、(5) レーザー照射位置からの繊維捕集までの距離、(6) 捕集速度などの作製条件を変えてナノシートを作製し、その繊維径や繊維径分布と作製条件との関係を明らかにした。 3. 有限要素法によるナノファイバー化のメカニズムの解明 レーザー照射により瞬時に融解した繊維のごく限られた範囲で粘度は著しく低下し、この溶融粘度の低い部分が超音速流中でせん断力を受け、大きく流動変形してナノファイバー化される。この流動変形を有限要素法で流体解析することで、ナノファイバー化のメカニズムを解明する。 4. ナノシートの高次構造解析 CO_2レーザー超音速マルチ延伸で作製したナノファイバーの結晶性、結晶配向性、結晶サイズなどの高次構造因子を測定した。その結果、ナノファイバー化で発現する高次構造と作製条件との関係を明らかにした。
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Research Products
(16 results)