2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350122
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
英 謙二 信州大学, 総合工学系研究科, 教授 (60126696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正浩 信州大学, 総合工学系研究科, 准教授 (30334915)
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Keywords | ゲル / ゲル化剤 / 物理ゲル / 超分子 / 水素結合 |
Research Abstract |
申請者がこれまでに報告してきた多数の超分子ゲル化剤の中でも特に強いゲル化能を示したゲル化剤の構造をもとに、官能基を有するゲル化駆動セグメントを選出し合成した。そのゲル化能や増粘作用について詳細に研究した。これらの開発したゲル化剤や増粘剤について、化粧品のアイシャドウなどに実用化が可能かを検討した。一方、インクジェットプリンターでは高温で噴出したインク滴が紙面や布面に到達したとき溶剤が瞬時に乾き、紙や布に滲まないようにしないといけない。超分子ゲル化剤は高温では溶液であり、室温で直ちにゲル化(固化)するので、インクジェットプリンター用インクとしてゲル化剤は非常に有用であることが分かった。さらに本研究では、水性インク用と油性インク用の両方をターゲットに新規な超分子ゲル化剤を開発した。 顕微赤外スペクトルメータ、核磁気共鳴スペクトルメータ、元素分析装置を使い、合成したゲル化駆動セグメントやポリシロキサン型ゲル化剤のキャラクタリゼーションを行った。その分子量分布はMALDI-TOF-MASを用い調べた。溶液粘性はレオロジー測定装置、粘度測定装置により測定した。さらに、インクジェットプリンター用インクに使われている様々な溶媒、溶剤に対するゲル化テストを行い、そのゲル化能を研究した。ゲル化するものについては25℃におけるゲル化の最小必要添加量(最小ゲル化濃度)を決定した。また、ゲル化剤としての性能はキセロゲルの表面積によって決定される。この表面積は本研究課題で設備備品とし申請し購入した自動比表面/細孔分布測定装置によって決定した。また、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡を使い超分子構造体を観察し、ゲル化剤分子の自己集合により超分子構造体が形成され、その結果物理ゲルが形成されることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)