2010 Fiscal Year Annual Research Report
高性能高分子ナノファイバーネットワーク構造体のビルトアップ型調製法の確立
Project/Area Number |
21350127
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 邦生 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (40274013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 慎一 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (40397873)
内田 哲也 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (90284083)
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Keywords | ナノファイバー / 高性能高分子 / ポリイミド / ポリベンズイミダゾール / 重合相分離 / 結晶化 / 二液相分離 / オリゴマー |
Research Abstract |
剛直高分子は高性能・高機能性材料として期待されるが、その剛直構造ゆえに成型加工が困難である。本研究では、重合誘起オリゴマー相分離を利用することにより、高性能芳香族高分子ナノファイバーネットワーク構造体のビルトアップ型調製法の開発を目指し、以下を検討した。 1.ポリイミドネットワーク構造体の調製 N-(4'-アミノフェニル)-4-カルボキシー5-アルコキシカルボニルフタルイミドを重合すると高結晶性のポリ(p-フェニレンテレフタルイミド)針状結晶が生成することを見出した。針状結晶の長さは、0.7-1.8μmで制御でき、幅は110nm、厚さは20nmであった。分子鎖は針状結晶の長さ方向に配向しており、高耐熱性を示した。 2.ポリエステルイミドの高次構造形成 N-(4-カルボキシフェニル)-4-アセトキシフタルイミドを高温度で重合すると、らせん状の繊維状結晶が生成することを見出した。280℃で得られた結晶は平均の幅243nm、長さ3.60μmであり、らせんピッチは321nmであった。らせんピッチは重合温度に依存しており、重合温度が高くなるにつれてピッチが増大し、330℃では1291nmになった。分子鎖はらせん状結晶の長さ方向に配向しており、高結晶性であることが分かった。 3.ポリベンズイミダゾールナノファイバーネットワーク構造の調製 2-(1,4-カルボフェノキシフェニル)-5,6-ジアミノベンズイミダゾールを用いて芳香族溶媒中高温で重合すると,分子鎖が長さ方向に配向した幅30-110nmのポリ[2,6-(1,4-フェニレンビベンズイミダゾール)]ナノファイバーが3次元的に繋がったネットワーク構造体が生成することを見出した。 4.ポリアゾメチンエステルナノファイバーの調製 アゾメチン結合を内包した自己縮合型アセトキシカルボン酸を用い、芳香族溶媒中高温で重合を行うと、幅50nmから1□mの高結晶性ポリアゾメチンエステルのフィブリル状結晶が得られた。ジアミンとジアルデヒドとの二分子重合においても、アミド結合の生成を抑制することで同様なフィブリル状結晶が得られた。
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