2009 Fiscal Year Annual Research Report
解架橋能を有する光硬化樹脂の合成と犠牲材料への応用
Project/Area Number |
21350128
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
白井 正充 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (00081331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 晴之 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (10316010)
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Keywords | 光硬化樹脂 / リワーク樹脂 / 犠牲材料 / 多官能モノマー / UVインプリント / レプリカモールド / 低収縮性モノマー / 環境調和型硬化樹脂 |
Research Abstract |
光により架橋・硬化する高分子は、不溶・不融であり、塗膜材料、接着剤、エレクトロニクス用材料、汎用構造材料などとして極めて多くの分野で使われている。一方、解体可能な硬化樹脂は殆ど開発されおらず、新しい機能や環境調和の視点から興味深い。本研究では、光あるいは熱的刺激により架橋構造が分解し、溶剤除去が可能な、解架橋性光硬化樹脂を設計・合成すると共にこれら樹脂の犠牲材料への応用を検討した。H21年度は以下の3項目について研究を行った。(1)多官能モノマーの分子設計と合成:1分子中に複数個のメタクリルユニットを有し、かつ各メタクリルユニットをコア部分と解裂可能な第3級カルボン酸エステルやヘミアセタールエステル結合でつないだモノマーを合成した。これらのモノマーは光照射で硬化し、加熱で分解・可溶化し、解架橋型樹脂として利用できることを示した。(2)ネットワーク形成過程の解析とポリマーの特性評価:メタクリル系多官能モノマーの光重合は、光ラジカル重合開始剤と光酸発生剤を含む系で行った。重合反応はフォトDSCを用いて解析した。硬化樹脂を分解し、可溶成分の重合連鎖長を解析することで架橋構造の形成過程を明らかにした。(3)光ナノインプリントリソグラフィーへの応用:本研究で合成した樹脂について、光インプリント実験を行い、光硬化樹脂の性能を評価した。多官能モノマーの構造を最適化することで、インプリントパターン形成時の縦方向の収縮率が1%程度の小さいものを開発した。インプリントモールドに樹脂片が付着してもモールドを損傷することなく、硬化樹脂を分解し、溶解除去できることを示した。また、解架橋型の樹脂を用いて、樹脂モールドのレプリカの作製に成功した。
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Research Products
(20 results)