2011 Fiscal Year Annual Research Report
解架橋能を有する光硬化樹脂の合成と犠牲材料への応用
Project/Area Number |
21350128
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
白井 正充 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (00081331)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 晴之 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (10316010)
|
Keywords | UV硬化樹脂 / 分解型硬化樹脂 / 犠牲材料 / UVインプリント |
Research Abstract |
光により架橋・硬化する高分子は、塗膜材料、接着剤、エレクトロニクス用材料、汎用構造材料などとして極めて多くの分野で使われている。硬化樹脂は全て不溶・不融であり、その機械的特性や耐化学的性能に視点をおいて開発されている。本研究では、365nm光照射で硬化するが、一方、254nm光あるいは254nm光と熱の併用により架橋構造が解離し、溶剤で除去する事が可能な、解架橋性光硬化樹脂を設計・合成すると共にその光硬化特性や光・熱分解特性を検討した。さらに、これら樹脂の犠牲材料への応用を検討した。本研究の構成は、基礎研究と応用研究からなる。基礎研究では、熱または光により解離する基を分子内に有する新規多官能モノマーを合成し、それらの光重合挙動解析および架橋構造の形成・熱解離挙動を解析することを目指した。応用研究では、当該の光硬化樹脂材料を光ナノインプリント用石英モールドのプラスチックレプリカモールド作製のためのテンプレート材料として利用し、その性能を評価した。 新規モノマーとして、高重合性、低粘度、光硬化時の体積収縮が小さいことが期待される、チオール/エン化合物からなる分解型光硬化系の分子設計と合成を行った。当該樹脂を用いた光インプリントでは、転写パターンの高さ方向の収縮率が1.5%以下のものを得ることができた。 本研究対象である架橋樹脂は容易に分解・可溶化できるので、GPC法による可溶化ポリマー成分の分子量及び分子量分布を測定し、重合連鎖長を解析する方法を確立した。光重合条件により、重合連鎖長や分子量分布が変化するが、これらの因子は硬化樹脂の収縮率に影響を与えることがわかった。
|
Research Products
(17 results)