2009 Fiscal Year Annual Research Report
発振波長が温度に依存しないレーザ用希釈ビスマスIII-V族半導体超格子に関する研究
Project/Area Number |
21360008
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉本 昌広 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (20210776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾江 邦重 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20303927)
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Keywords | 結晶成長 / 半導体物性 / 光物性 / 超格子 / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
半金属半導体混晶GaAsBiの禁制帯幅の温度依存性は大幅に低減できる。この特性を活用して最終的には発振波長が温度無依存である半導体レーザを得ることを目指している。Biの偏析により、GaAsBi/GaAs超格子は、従来、製作が困難とされてきた。本研究では、GaAsBi/GaAs超格子の製作法を確立し、その物性を明確にするとともに、発光の高輝度化を図る。その結果をもとに、レーザ基本構造(GaAsBi/GaAs超格子を活性層とするダブルヘテロ構造)の製作を目的としている。 BiはGaAsと混じりにくく、MBE成長などでサーファクタントとして働くことが良く知られており、Biの偏析が懸念されていた。成長中のAs圧のわずかな変化が、特にBi原子の取り込みに影響するため、同じ組成の混晶を再現性良く得ることが容易ではなかった。GaAsBiのMBE成長の条件を最適化し、GaAsBiの高品質化を進め、世界で初めて光励起によるGaAsBiのレーザ発振に成功した。 また、GaAsBi/GaAs超格子に関しては、透過電子顕微鏡(TEM)像観察と高分解能X線回折測定(XRD)により、顕著な偏析のない、原子レベルで平坦な界面をもつ超格子が製作できることを実証した。レーザ素子への応用を考えたとき、GaAsBi/GaAs接合では、価電子帯側のバンド不連続が大きく、伝導帯側のバンド不連続がほとんど無いと予想される。このためにAlGaAsをクラッド層とすることで、伝導帯側のバンド不連続を大きくする必要がある。本年度は、AlGaAs/GaAsBi超格子を製作し、TEM、XRDや二次イオン質量分析(SIMS)測定により、Biの偏析のない急峻なAlGaAs/GaAsBi界面が実現できることを示した。
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