2009 Fiscal Year Annual Research Report
制御された界面ネットワークの導入による三次元ナノ螺旋周期構造液晶の構築と機能応用
Project/Area Number |
21360009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 雅則 Osaka University, 工学研究科, 教授 (50204186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 彰彦 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80304020)
吉田 浩之 大阪大学, 工学研究科, 助教 (80550045)
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Keywords | 液晶 / コレステリックブルー相 / 螺旋構造 / フォトニック結晶 / 三次元周期構造 / 時間領域差分法 |
Research Abstract |
強いキラリティーをもつ液晶は三次元的に発達した螺旋構造を形成し、コレステリックブルー相と呼ばれる。近年、このブルー相の三次元ナノ周期構造や高速応答性ディスプレイデバイスへの応用の可能性が極めて注目され始めている。しかしながら、ブルー相は、これまで1~2℃の極めて狭い温度範囲でしか発現せず、その特性の詳細すら不明な点が多い。また、可視光波長程度の三次元周期性を有するブルー相は、フォトニック結晶などのへの応用が期待されているが、光伝搬特性については未だ詳細な解析がなされていない。そこで、本研究では、まずブルー相液晶内に人工的な三次元構造を導入し、その構造の界面での液晶分子の配向制御によりブルー相の安定化を試みた。具体的には、三次元ネットワーク構造を有するセルロース混合エステルメンブレン中にブルー相を示す液晶材料を浸透させることで、その発現温度範囲が降温時に広がること明らかにした。また、メンブレンの表面を処理することで、ネットワークの表面状態がブルー相の発現温度に及ぼす影響を評価した。次に、時間領域差分法を用いたブルー相の光伝搬特性解析を行い、透過光特性の円偏光依存性を検討した。その結果、ブルー相IIの2重ねじれシリンダー配置モデルのフォトニックバンド解析より、G-X点間においては比較的幅の広いバンドAと幅の狭いバンドBが存在することが分かった。また、G-X方向に対応する(100)方向の透過光特性解析より、透過光特性における円偏光の依存性を明らかにした。さらに、バンド解析により得られたバンドAが2重ねじれシリンダー配置を形成する螺旋構造と同じねじれ構造を有する円偏光に対する選択反射バンドに対応し、バンドBは左右の両円偏光に対する全反射バンドに対応することを見出した。
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