2010 Fiscal Year Annual Research Report
制御された界面ネットワークの導入による三次元ナノ螺旋周期構造液晶の構築と機能応用
Project/Area Number |
21360009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50204186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80304020)
吉田 浩之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80550045)
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Keywords | 液晶 / コレステリックブルー相 / 微粒子分散液晶 / 偏光無依存屈折率変調 / Kerr係数 |
Research Abstract |
コレステリックブルー相(BP)液晶はナノスケールの三次元周期構造を形成するが、必然的に構造内に配向欠陥を含むためエネルギー的に不安定になり、相の発現温度が1~2℃程度の狭い範由に限られる。その結果、特徴的な構造を有するにもかかわらず応用が困難であると考えられてきた。我々は、このBP液晶にナノ微粒子を添加することにより、BPの発現温度が拡大する現象を見出した。特に、我々が考案した直接スパッタ法、すなわち、液晶にAu、Agなどの金属を直接スパッタすることにより、直径数m程度の微粒子を液晶内に安定に分散させる手法を採用して、BP液晶への金属微粒子分散効果を検討した。その結果、BPの温度範囲拡大が降温過程における過冷却現象ではなく熱力学的に安定に起こり、なかでもBPIIが安定化されることを確認した。安定化のメカニズムとしては、分散されたナノ微粒子が秩序領域から配向欠陥領域に排除され、その結果、系のエネルギーを不安定化していた配向欠陥領域の体積比率が減少して全体の自由エネルギーが減少したためであると考えている。一方、BP液晶の応用の一つとして、偏光無依存の屈折率変調素子を提案しその動作特性を検証した。すなわち、光学的に等方性のBP液晶において入射光の伝搬方向に沿って電界を印加することにより、光学軸が伝搬方向に沿った一軸的異方性が発現することを利用して、電界による偏光方向に依存しない屈折率の制御を、Fabry-Perotエタロン構造を用いて確認した,このとき、金属微粒子を添加しないBP液晶が3.4V/μmの電界印加でコレステリック液晶転移して変更依存性が生じるのに対して、微粒子添加BP液晶では8.5V/μmでも偏光無依存性が確認でき、また、BPI相において1.7×10^<-9>m/V^2のKerr係数が得られた。
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