2011 Fiscal Year Annual Research Report
制御された界面ネットワークの導入による三次元ナノ螺旋周期構造液晶の構築と機能応用
Project/Area Number |
21360009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50204186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80304020)
吉田 浩之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80550045)
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Keywords | 液晶 / コレステリックブルー相 / 微粒子分散液晶 / 偏光無依存屈折率変調 / Kerr効果 |
Research Abstract |
コレステリックブルー相(BP)は可視光波長程度の三次元周期構造を自己組織的に形成する液晶相であり、チューナブルフォトニック結晶や高速応答の光スイッチング素子への応用が期待されている。しかし、BPは構造起因の配向欠陥を有するため、コレステリック相と等方相の間のわずか数℃以下の温度範囲でしか発現せず、BPを実用化するためにはその発現温度範囲を拡大する必要がある。これまで、金、銀、パラジウムの三種類の金属ナノ粒子をそれぞれBP液晶に添加することで、種類に依らずBPの発現温度範囲が拡大することを報告したが、本年度は、金ナノ粒子の濃度を変化させた場合のBPの発現温度範囲について検討を行った。BPの発現温度範囲は金ナノ粒子の濃度の増大に伴って拡大することを確認した。また、比較的粒子濃度が低領域においては、BP IIの発現温度範囲がBP Iに比べてより大きく拡大されているのに対し、ある程度以上粒子を添加するとBP IIが消失しBP Iのみの発現温度範囲が拡大することが明らかとなった。BP IIは本来BP Iに比べて不安定であることを考慮すると、金ナノ粒子の濃度が低い場合は安定化効果を顕著に受けるが、濃度が高くなると再びBP IIが不安定になり消失したものだと考えられる。これらのことは、これまで検討してきたように、コレステリックブルー相の欠陥領域にナノ粒子が局在化することによりBPが安定化するという解釈を指示している。一方、これまで提案したBP液晶の光学的等方性を利用した偏光無依存屈折率変調素子の特性改善のため、駆動周波数により誘電異方性が反転する二周波駆動液晶を用いて屈折率変調範囲の拡大に成功した。
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