2011 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性窒化物半導体量子構造の物性とスピントロニクスデバイス応用に関する研究
Project/Area Number |
21360010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朝日 一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90192947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 繁彦 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50189528)
江村 修一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90127192)
周 逸凱 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (60346179)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / 半導体物性 / MBE / ナノ材料 / 結晶工学 |
Research Abstract |
室温強磁性を示す窒化物半導体ベース希薄磁性半導体の特性向上、新規物性・特性探索の観点から、磁性半導体層と非磁性半導体層からなる量子井戸(QW)構造、ナノロッド/量子ディスク構造の分子線エピタキシ(MBE)法による作製と評価を行い、また、スピントロニクスデバイス応用の基盤検討を行い、以下の結果を得た。 (1)GaDyN/AlGaN多重量子井戸(MQ)構造を成長し、室温において強磁性的な秩序を観測した。GaDyN単層より強い飽和磁化が観測され、キャリア誘起強磁性によるものと考えられる。さらに、量子井戸層からのフォトルミネセンス(PL発光に加えて、Dy3+の内殻遷移によるPL発光を観測した。 (2)GaGdN/GaN多層構造成長によりアスペクト比の大きなナノロッド構造とすることで、形状磁気異方性による成長面に垂直方向磁化の増大を実現した。 (3)InGaGdN/GaN多重量子ディスク構造の成長に成功した。室温強磁性ならびに可視域でのPL発光を観測した。これにより強磁性半導体量子ディスク構造からの単一光子発光実現への第1歩を達成した。 (4)Gd濃度の大きなGaGdN層において自然超格子構造の自己形成現象を発見した。 (5)InGaGdN/GaN MQW層を活性層とした円偏光発光デバイス(LED)構造を成長し、PL発光を観測した。 (6)トンネル磁気抵抗効果素子の実現を目指して、GaDyN/GaN二重障壁構造を成長し、良質な結晶が得られた。室温強磁性が観測され、各層の厚さと磁性の間に相関のあることが観測された。
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Research Products
(30 results)