2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機FETの短チャネル化による超高速応答有機FETの開発
Project/Area Number |
21360011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 恵 Osaka University, 工学研究科, 助教 (50437373)
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Keywords | 有機FET / 短チャネル長 / 微細化 / 周波数特性 / ルブレン / 高分子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有機FETをサブマイクロメートル領域まで短チャネル化することにより、有機FETとしては未踏のMHz-GHz領域の高スイッチング周波数特性をもつ超高速応答有機デバイスを作成することにある。具体的には、有機FETの短チャネル化に伴う性能劣化の原因及びその克服方法を明らかにし、有機FETのスイッチング周波数測定方法を新たに開発する。この両者によって有機FETとして現実に到達しうる世界最高のスイッチング速度を測定によって実証する。 本年度はルブレン単結晶短チャネルFETの更なる移動度の向上を目指し、Ni電極素子を新たに作成した。しかしながら他の文献でみられるようなNi電極採用による素子の性能向上は得られなかった。原因として我々の作製過程で何らかの酸化被膜がNi電極上に生じてしまっている為かもしれないが、一部の報告では電極上の薄い酸化膜がより電荷注入効率を上げるという報告もある為、原因は不明である。但し我々の系統的な作製方法においてはルブレンFETにおける電極金属の性能差はAu=Ni<Ptという結果であった。 次に高い遮断周波数を測定する為の素子の作製に取り組んだ。これまでの素子構造ではシリコン基板をバックゲートとして用いる為に大きな寄生容量が発生し、せっかく短チャネルで大きな移動度が実現しても高い遮断周波数を計測することが出来ない。よって新規に絶縁体基板上に金属ゲートを作製し、薄い酸化膜を成膜し、その上にソースドレイン電極を形成して電極面とゲート絶縁体面に段差のないゲート分離型のボトムコンタクト素子を作製することに成功した。今後性能の改良と遮断周波数の計測に進む予定である。
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Research Products
(10 results)