2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360013
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
武内 道一 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 准教授 (60284585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒内 正仁 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, ポストドクトルフェロー (10452187)
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Keywords | 深紫外発光素子 / 結晶成長 / III族窒化物半導体 / 量子井戸 / AlN / AlGaN / 縦型発光素子 / レーザーリフトオフ |
Research Abstract |
一昨年度である平成21年度には、易加工性基板であるSi基板へのAIN成長を試み、クラックフリーで高品質なAlGaN系薄膜を成長可能とする「自然ボイド形成法」の開発に成功した。昨年の22年度は、この手法で形成したAlN on Si構造の断面構造の詳細を検証し、Si基板側にわずかにエッチングピットが形成され、そこを起点にボイドが形成されることを見いだした。そのため、Si基板に対する前処理状態をコントロールすることでピットの密度、サイズが制御可能となり、そこからボイド構造の制御性を議論することに可能となった。さらにAlN/Si基板界面付近で100nm厚オーダーの融合層が形成されていることも見いだし、この反応を抑制することが高品質化へのキーポイントとなることがわかった。 AlN/サファイアテンプレート構造については、極性混在初期膜成長-アニールー埋め込み成長といった二段階成長法を駆使し、各種成長パラメーターの再見直しとともに最高水準のAlN膜を市販の結晶成長炉の能力で2インチ基板上に非常に均質に形成する成長技法の開発に成功した。また、この手法の副次効果として、それまではn形AlGaN層は1×10^<18>cm^<-3>程度のドーピング限界であったのだが、4~5×10^<18>cm^<-3>といった高濃度ドープも可能となった。こうして高品質化が可能となった結晶成長膜を用いて265nm帯のLEDを作製した結果、1mWを越える発光を実現することができた。 基板はく離型縦型構造に関しては、これまでn-AlGaN層の剥離面に電極を形成する縦型構造を推進してきたが、n-AlGaN層の低抵抗化が可能となったこと、剥離面であるn-AlGaN層下面がN極性面であって電極形成プロセス開発が非常に困難を極めることから、電極横配置型素子で基板剥離を行うことが放熱面から優位性を持つことを検証すべく新たなレーザーリフトオフ装置のトライアル実験を行い、良好な手応えを得た。
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