2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体のイレブンナイン超高純度化による10%効率有機薄膜太陽電池の開発
Project/Area Number |
21360014
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
平本 昌宏 Institute for Molecular Science, 分子スケールナノサイエンスセンター, 教授 (20208854)
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Keywords | 有機太陽電池 / p-i-n接合 / 結晶析出昇華精製 / 近赤外光利用 / 鉛フタロシアニン / 3元系機能分離ナノ構造 / J会合体 / H会合体 |
Research Abstract |
結晶析出昇華精製を、これまで行ってきたC_<60>だけでなく、メタルフリーフタロシアニン、ペリレン顔料、亜鉛フタロシアニン、等の、種々の有機半導体に適用した。なお、これらの有機半導体の精製は、水素雰囲気下の結晶析出昇華精製技術を確立して行い、精製効率をもう一段引き上げた。 有機薄膜太陽電池の効率向上には近赤外光の利用が不可欠である。今回、近赤外に吸収を持つ鉛フタロシアニン(PbPc)に注目しPIN型有機薄膜太陽電池を作製した。この結果、近赤外に高い感度を持つセルが作製できた。セルは700~1050nmまでの近赤外に感度を有し、900nm付近で40%以上の量子収率が観測された。この近赤外での光電変換により短絡光電流(J_<sc>)は11mA/cm^2に達し、変換効率が2%を超える高い特性が得られた。 なお、このような高効率の近赤外利用はこれまで行われておらず、近赤外セルとしては、世界最高の効率である。 本セルの光電流は、PbPc:C_<60>共蒸着i層で発生する。SEM及びXRDによる詳細な解析の結果、近赤外光によるキャリア発生はPbPcのJ会合体で起こり、光生成したホールはPbPcのH会合体、電子はアモルファスC_<60>を通って輸送される、3元系機能分離ナノ構造となっていることが分かった。 以上のように、有機半導体の超高純度化技術のレベルを大きく引き上げるとともに、近赤外光の利用が可能なことを実証できた。
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Research Products
(8 results)