2011 Fiscal Year Annual Research Report
Inーsituリアルタイム分光法による有機極薄膜の電荷移動計測と制御
Project/Area Number |
21360020
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田中 正俊 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (90130400)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 真也 横浜国立大学, 工学研究院, 特別研究教員 (00377095)
大野 かおる 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (40185343)
横山 崇 横浜市立大学, 生命ナノシステム研究科, 教授 (80343862)
安田 哲二 産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, 研究員(部門付) (90220152)
鈴木 隆則 防衛大学校, 応用物理学科, 教授 (60124369)
|
Keywords | 表面・界面物性 / 光物性 / 超薄膜 / マイクロ・ナノデバイス / 超分子化学 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に従って、下記の(1),(2)を進めた。 (1)表面修飾したSi(001)表面上の有機分子の配向と電荷移動 シングルドメインのSi(001)表面をO_2,H_2O,H_2,C_2H_4で修飾し,その上にα-sexithiophene(6T)分子を5nm程度まで蒸着し,SDRS,RDS,UPS,SRPES,NEXAFSなどのin-situリアルタイム分光法を用いて6T分子の配向と電子状態を系統的に解析した.その結果,以下のように,基板によって決まる6T分子の配向とその時に生じている基板-分子間の電荷移動を明らかにすることができた.酸化面では6T分子のC原子から基板原子へ電荷が移動して結合し,standingの状態でランダムな配向を取る.H_2修飾面でも同様である.H_2O修飾面では膜厚3nm位まではダイマー列に平行にflat lyingする孤立分子とstandingに凝縮した分子が存在する.flat lyingのときは基板のOH基から6T分子のS原子へ電荷が移動し,standingのときは酸化面と同様である.膜厚3nm以上では全ての分子がstandingへ配向を変える.C_2H_4修飾面ではダイマー列に平行にflat lyingする孤立分子とダイマー列に垂直にflat lyingする凝縮した分子が存在する. (2)基板と有機分子の電荷移動 本研究によって6T分子超薄膜の成長様式は,(1)チオフェン環のS原子と基板原子との相互作用,(2)チオフェン環のC原子と基板原子との相互作用,(3)6T分子間の相互作用,の競合の結果として決定されている,と統一的に理解できることが示された.この他,低温での蒸着では室温と異なる成長様式をとることも示された.従って,表面の修飾方法と基板温度を選択することによって,Si(001)基板上で6T分子の配向方向を制御できる可能性が示された.
|
Research Products
(12 results)
-
-
-
-
[Presentation] 超音速分子線を用いたSi高指数面初期酸化過程の解析II2012
Author(s)
大野真也, 兼村瑠威, 安部壮祐, 井上慧, 百瀬辰哉, 吉越章隆, 寺岡有殿, 尾形祥一, 安田哲二, 田中正俊
Organizer
第59回応用物理学関係連合講演会
Place of Presentation
早稲田大学,東京
Year and Date
2012-03-17
-
-
-
-
-
-
-
-