2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 健二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50127073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 基史 京都大学, 工学研究科, 准教授 (00346040)
中嶋 薫 京都大学, 工学研究科, 助教 (80293885)
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Keywords | ノイズ低減 / 高分解能RBS / 高分解能ERDA / 軽元素分析 / 位置検出器 |
Research Abstract |
高分解能RBS法の検出感度は、エネルギー分析器のS/N比で決定されるが、母相よりも重い元素の場合は数10~数100ppm程度である。この感度は多くの応用においては十分であることが多いが、例えば次世代のULSIにおける極浅接合実現のためのドーパント分布の測定など、応用分野によっては検出感度の向上が強く求められている。本研究では、これに応えて、高分解能RBS法の検出感度を向上させることを目的として研究を行った。具体的にはシリコン中のヒ素の検出感度を10ppmまで向上させることを目標とし、また、高分解能反跳粒子検出法を用いて、シリコン中のホウ素に関しては0.1at.%以下の検出感度を目標とした。 昨年度までの研究で、ヒ素の検出感度を250ppmから10ppmまで向上させることに成功した。今年度は、まず、昨年度までに開発した同時計測法でイオンの検出効率がどの程度低下しているかを検討した。その結果80%程度の高い検出効率で同時計測が可能であることが確かめられた。次に、高分解能RBS法で特に検出感度の悪い、軽元素の検出感度の向上を目指して、おなじ装置を用いて高分解能反跳粒子検出法によりシリコン中のホウ素分析を行い検出感度の評価を行った。このために、まず、検出器の前に設置しているマイラ膜の適正な厚さを、マイラ膜中のイオンの運動をTRIMコードでシミュレートすることにより決定した。その結果、0.5ミクロンのマイラ膜が適当であることがわかったので、この厚さのマイラ膜を検出器の前に設置して、プラズマドーピング法でホウ素をシリコン中に注入した試料中のホウ素の深さ分布を、この試料にHeイオンを照射して、25度の角度に反跳されたイオンを、改良したエネルギー分析器で分析することにより測定した。その結果、0.08at.%の検出感度でホウ素の分析が可能であることが示せた。
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Research Products
(5 results)