2010 Fiscal Year Annual Research Report
STMトンネル電子を励起源とした単分子レベル発光計測
Project/Area Number |
21360024
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
横山 崇 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (80343862)
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / 電界発光 / 表面界面物性 |
Research Abstract |
2年目である22年度は、基板表面上に吸着した機能性分子の表面拡散や自己組織化の研究を進めるとともに、トンネル電子励起による発光を検出するための光ファイバーによる検出システムおよびSTMコントロールシステムを導入した。昨年度はSTM本体を発光検出に適したように改造したので、今年度で単分子レベル発光測定の準備が整ったと言える。これらのシステムの機能テストとして、GaAs(110)からの発光強度、分光、発光マッピングなどの測定を行った。p型GaAs(110)表面を用いた場合の発光は、光ファイバーの検出位置に大きく依存せずに、トンネル電流が1nAあたりに6000cpsと予定以上の検出強度であることが分かった。これだけの発光強度があれば、STMによる原子分解能観察を組み合わせた、原子レベルでの発光強度マッピングや発光分光測定が可能である。これらより、最終目的である単一分子からのトンネル電子励起発光が可能になると期待できる。今後は、燐光特性を持つイリジウム錯体を試料とし、単一分子からの発光特性を明らかにして行く予定である。
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