2012 Fiscal Year Annual Research Report
生物に学ぶ色素不要・高輝度・広視野角な構造発色体の開発
Project/Area Number |
21360033
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
齋藤 彰 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90294024)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 構造色 / 応用 / バイオミメティクス / モルフォ蝶 / 干渉色 / 発色体 / 乱雑さ / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、モルフォ蝶の巧妙な光学的ナノ構造に基づく、新規な発色体の開発である。最大の特長は「干渉色ながら広視野角で単色」という一見矛盾する物理特性であり、色素不要(省材料・環境対応)・高反射率・無退色など、従来の発色体にない多くの利点から、幅広い応用が期待できる。申請者はすでにこの特異な発色体を再現し、量産技術を開発したが、実用には多くの未踏段階が残る。最終年である今年度はまず、色設計に必須ながら従来は困難だった、「乱雑さの光学効果」の理論解析をほぼ完成した(FDTDシミュレーションによる)。これにより従来の数値解析を、多数の構造・光学パラメータに敷衍し、各変数の役割を、角度分布と波長分布の両方の観点から明確に定義できた(これらは昨年度まで曖昧さが残っていた)。次に、真の実用に向けた最大の壁である「基板フリー化」(発色薄膜と微粉体の作製)技術の開発を行った。これにより、従来は厚い平板状の物体にしか付与できなかった発色が、形状の制限から解放され、劇的に応用範囲は広がる(化粧品・塗料・印刷など)。そこでまず発色膜のみを分離し、さらに広範な応用のため、発色部だけの微粉体(φ50~100μm程度)作製プロセスを開発した。現状では、粉体化の前に「大面積の発色膜」の独立分離(これが理想である)には至っていない(剥離の際に断片化が避けられない)。しかし、断片をさらに制御して破砕することで、上記のサイズの粉体作製に成功した。最後に発色粉体の光学特性評価を行った。微小粉体でモルフォ発色の特異な光学特性が保たれるか否か、はしばしば議論になるが、その集合体としての光学特性(反射率の角度・波長分布)を評価した結果、基本的にモルフォ発色特性が保たれると分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(15 results)