2011 Fiscal Year Annual Research Report
光コムを用いたカスケード型コヒーレントリンクによるサブ波長精度の絶対距離計の研究
Project/Area Number |
21360039
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
美濃島 薫 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究室付 (20358112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲場 肇 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (70356492)
安井 武史 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (70314408)
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Keywords | 光源技術 / 計測工学 / 光コム / 超短パルスレーザー / ファイバレーザー |
Research Abstract |
まず、昨年度までに開発した高繰り返し・高強度のエルビウム添加モード同期ファイバレーザーにおいて、産総研保有の時間標準UTC(NMIJ)を周波数基準としてヨウ素安定化Nd:YAGレーザー(1064nm)の周波数計測を行って繰り返し周波数の安定度を評価し、1秒平均10^-12、1000秒平均10^-13を得た。また、ループフィルタの最適化などによってキャリアエンベロップオフセット周波数の制御帯域を500kHz程度まで向上し、残余位相雑音の低減により分周無しで堅牢な位相同期を実現した。 次に、2台のフェムト秒パルスレーザー間のタイミングを自在に操作可能なデュアル光波形シンセサイザを構築して基本特性を評価し、タイミングジッター300fs以下を実現した。これをテラヘルツ(THz)コム発生・検出用光源として利用し、THzコムを基準とした超精密THz分光法を実証した。 さらに、開発したデュアル光波形シンセサイザをtime-of-flight法を用いた距離計測に適用し、その有用性を評価した。2台の光コムの繰り返し周波数がわずかに異なるよう設定し、ポンプ・プローブ式相互相関測定法における高速時間遅延走査を実現し、距離計測の実時間化(測定レート10Hz)を達成した。その結果、数メートル先に置かれた測定対象の絶対距離を、200μm以下の誤差で計測することに成功した。 最後に、1台のモード同期ファイバレーザーによる光コムを用いて繰り返し周波数が異なる2種の光コムを発生することにより、開発したモードの相互コヒーレンスを利用した干渉位相信号のビートダウンによる距離測定手法を改良した。光コムのモードフィルタリング手法を高安定化し、残余周波数信号強度を低減化して位相信号のクロストークを低減化させた。その結果、測定光路長を変化させることによって、距離に依存した位相信号が高精度に取得できることを実証した。
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Research Products
(11 results)