2009 Fiscal Year Annual Research Report
クリープボイドの三次元幾何形状の計測とボイド体積率による新しい余寿命評価法
Project/Area Number |
21360048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 信介 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (80134469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 聡志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30322069)
原 祥太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (10401134)
山際 謙太 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 機械システム安全研究グループ, 研究員 (90371096)
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Keywords | クリープ / 余寿命評価法 |
Research Abstract |
火力発電プラントの高温機器が抱える損傷モードの一つがクリープである.クリープの余寿命評価法にはAパラメータ法やボイド面積率法など様々な方法があるが,いずれにせよ鋼材中に発生するクリープボイドと呼ばれる微小な空孔の統計的な性質を評価する方法である. しかし,ボイドは3次元の空孔であるものの,現在の余寿命評価法はボイドの断面形状や面積など2次元の評価にとどまっており,深さ方向の3次元情報は利用されていない.例えばボイドの断面積は等しくても,深さ方向の形状が異なれば損傷の度合いは異なる.したがって,ボイドの3次元形状を調べることで,より高精度に損傷を評価することが可能になる.ミクロ組織の3次元形状を計測する手法に,電子線後方散乱法(EBSD)とシリアルセクショニング法を組み合わせた3D-EBSD法がある. 本研究では3D-EBSD法をクリープ損傷材に適用する際に,結晶方位像と走査型電子顕微鏡(SEM)像を併用することで,ボイドの3次元形状の計測を行った.クリープ損傷材は破断材と中断材を用意し,寿命消費率と3次元形状の関係について求めた. クリープボイドの形状は4種類の形状が観察された.初期の頃は球形が支配的であるが,寿命後半では扁球状とそれらが結合した形状が多く観察された. 次に旧オーステナイト粒界とボイドの発生位置について検討した.ボイドは応力方向に垂直な粒界の面に多く存在している.一方,粒界の面同士が交わってできる線の部分にはボイドはあまり観察されない.これはボイド発生に粒界の3次元形状が影響しているためと考えられる. また,ボイドの動径とサイズ分布を求めた結果,ボイドの発生は余寿命にかかわらず常に発生していることが明らかとなった.しかし,寿命後期に発生するボイドはボイド全体の体積からみればわずかであった。
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Research Products
(2 results)