2010 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜機能性を有する骨組織再生用多孔質複合材料の力学特性と細胞増殖性に関する研究
Project/Area Number |
21360054
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東藤 貢 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (80274538)
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Keywords | 生体材料 / 複合材料 / 再生医療 / 骨再生 / 多孔質構造 |
Research Abstract |
前年度開発に成功した生分解性樹脂であるPLLAを原料とする強化構造型多孔質材料は,単一構造の材料に比べ圧縮力学特性の目覚ましい向上を示したが,生体親和性に劣っていた。そこで,本年度では,生体親和性の向上を目指して,生体活性を有する3種類のリン酸カルシウム系セラミックスの微粒子をPLLAに分散させた複合材料を作製し,骨芽細胞様細胞を用いて細胞増殖能と石灰化度の指標であるALP活性を計測した結果,著しい上昇を示し,バイオセラミックス粒子分散が効果的であることが明らかになった 一方,異なる種類の骨再生用材料として3種類の多孔質セラミックス材料の動物実験を行い,骨再生能について生体力学的観点から調査を行った。μ-CT画像より3次元多孔質構造モデルを構築し,骨組織の再生が力学特性に及ぼす影響を調べた結果,吸収性材料と非吸収性材料では異なる挙動を示すことが明らかになった.吸収性材料の方が骨再生速度が速い傾向にあり,2週間程度で巨視的弾性率は安定した状態に達する,これは,吸収されたバイオセラミックス成分(リン酸イオンやカルシウムイオン)が骨リモデリングに対して効果的に作用したものと推測される 骨再生に及ぼす力学刺激の影響を調べるために,圧縮負荷を加えながら多孔質コラーゲンに骨芽細胞様細胞を播種し増殖させた結果,細胞数の増加状態とALP活性の両方において著しい効果が得られた 以上の結果より,高分子材料を基材としてバイオセラミックス粒子を分散させた多孔質複合材料を作製し,さらに繰り返し圧縮刺激下で細胞を培養することで,より効果的に生体外で骨組織を再生することができることが明らかになった
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Research Products
(9 results)