2009 Fiscal Year Annual Research Report
高圧水素環境下各種金属材料の超長寿命疲労特性に及ぼす応力比の影響に関する研究
Project/Area Number |
21360056
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
上野 明 Ritsumeikan University, 理工学部, 教授 (30160188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 豊 豊田工業大学, 工学部, 教授 (20005367)
緒形 俊夫 (独)物質材料研究機構, 材料信頼性センター, センター長 (20354243)
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Keywords | 水素ぜい性 / 高圧水素ガス / 疲労 / 切欠き / 塑性変形 / ギガサイクル疲労 / 温度依存性 |
Research Abstract |
燃料電池用燃料等,水素エネルギーは,地球環境保全のために極めて有効な次世代クリーンエネルギーとして期待されているが,水素が金属材料に及ぼす水素脆性の影響を把握する必要があるが,水素ステーションや燃料電池自動車用ガス配管における高圧水素ガスが材料の強度特性に及ぼす影響は,実験が可能な研究設備が少ないため十分に解明されていない状況である.そこで本研究では,高圧ガス保安法に抵触しない独創的な実験方法である「内圧式高圧水素実験方法」を用いて,代表的金属材料の疲労強度に及ぼす影響を調べる. 本年度は, (1)新規導入した「下穴加工用放電加工機」を用いた「内圧式高圧水素実験法」用試験片加工方法を確立するとともに改良を加えた水素封入方法にて長時間ボンベ圧(約14MPa)を試験片内部に保持する技術を確立した.高圧水素ガスを封入した試験片を用いて,室温にて,引張特性等を調べ,負荷速度の影響を検討した. (2)オーステナイト系ステンレス鋼SUS304切欠き試験片を用いて,常圧水素ガス中で低サイクル疲労試験を行い,水素中では疲労き裂が早い時期に発生することを調べた.再結晶法を用いて,切欠き底塑性変形蓄積量を測定し,塑性変形の起こりやすさに対する水素の影響も調べた. (3)「内圧式高圧水素実験法」を用いて準安定オーステナイト系ステンレスの高圧水素ガスによる脆性に対する温度依存性を調べ,マルテンサイト相内の水素拡散に着目した考察を行なった. などを行なった.
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