2011 Fiscal Year Annual Research Report
高圧水素環境下各種金属材料の超長寿命疲労特性に及ぼす応力比の影響に関する研究
Project/Area Number |
21360056
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
上野 明 立命館大学, 理工学部, 教授 (30160188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒形 俊夫 (独)物質・材料研究機構, 材料情報ステーション, ステーション長 (20354243)
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Keywords | 高圧水素ガス / 水素脆化 / 超寿命化 / 疲労 / 脱原発 / クリーンエネルギー / 破面解析 |
Research Abstract |
本申請では,高圧ガス保安法に抵触しない独創的な実験方法を用いて,常圧を含めた各種圧力の水素ガス中で,水素ガスを利用する各種機器用金属材料の強度特性(特に,超長寿命域疲労特性)を調べ,これらの機器を長期間の間,安心して安全に利用するために必要な基礎研究を行ない,水素エネルギー利用社会早期実現に貢献することを目指している.高圧水素用機械部品のための金属材料である高力アルミニウム合金A7075とオーステナイト系ステンレス鋼SUS316を用いて,本年度は以下の知見を得た. 【A7075】 1. 15MPaの水素を注入した試験片(以下,水素あり材と称す)と注入しない試験片(以下,水素なし材と称す)で10^8サイクルまでのS-N特性を調べた結果,時間強度域においては水素ガスの影響はほとんどないが,繰返し数の増加とともに水素あり材の疲労強度が水素なし材に比べて低下することがわかった. 2. 破面の巨視的観察から,破壊モードが変化する限界の寸法は,水素あり材の方が水素なし材よりも小さいことがわかった. 3. 破面の微視的ストライエーション観察から,水素あり材の疲労き裂は水素なし材よりも速く成長することがわかった. 【SUS316】 1. 水素あり材と水素なし材で10^7サイクルまでのS-N特性を調べた結果,高圧水素による疲労強度の低下はほとんどないことがわかった. 2. 破面の微視的ストライエーション観察からも,高圧水素が疲労き裂成長速度に影響をほとんど及ぼさないことがわかった.
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