2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360059
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
割澤 伸一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20262321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 直 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00422329)
米谷 玲皇 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90466780)
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Keywords | ナノ・マイクロ加工 / 自己組織化 / 三次元ナノ構造 / ブロック共重合体 / 自由膜 / メカニカル振動子 / プラズモン共鳴 / 光学多層膜 |
Research Abstract |
本研究は,自己組織化現象を利用して量産性を有する三次元ナノ構造作製技術を開発することを目的とする.今年度の具体的な成果を以下に述べる.第一は,3次元構造の枠組をFIB-CVD法で構成し,その枠組にPS-b-PMMA自由液膜を表面張力によって形成したあと,熱アニール処理を施すことによって微細周期構造を有する膜構造を立体的に配置するものである.矩形膜(60x60nm~348x4,000nm),六角形膜(80nm^2~280nm^2)の作製に成功した.この技術によってフィルタ機能を有す封止構造の作製が可能となる.第二は,ブロック共重合体自己組織化ナノ構造を利用した光学多層膜の作製技術開発である. PS-b-PMMAとPMMAの混合によるミクロ相分離機構を利用し膜厚を変化させることによってナノ構造の寸法を制御できる.この構造をテンプレートに高屈折材料Si_3N_4と低屈折材料SiO_2をバイアススパッタ法により,それぞれ70nmずつ成膜した積層構造を作製した.光の反射,透過率測定の結果,70nm程度のバンドギャップを確認した.自己組織化ナノ構造をテンプレートに積層構造を作製して光デバイスの実現可能性を示した.第三は,PS-b-PMMAでナノ構造を自己組織化させたあと,FIBリソグラフィにより所望の構造をパターニングし,カーボン化させることによって,微細周期構造を有するナノメカニカル構造を作製する方法である.自己組織化を利用してボトムアップアプローチで構成すればナノメカニカル構造に微細周期構造を組み込むプロセスが容易になる.また,ナノメカニカル構造に剛性が必要な場合にカーボン化のプロセスが非常に有効となる.このような構造は例えば,光吸収を促す微細周期構造をナノメカニカル振動子に組み込んでセンシング機能を付与する方法として適用可能である.
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