2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
國枝 正典 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90178012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏 恒 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40345335)
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Keywords | 形彫り放電加工 / 逆方向シミュレーション / 工具電極消耗 / 加工屑 / 放電遅れ時間 / 遥動加工 |
Research Abstract |
平成22年度までに、形彫り放電加工の逆方向シミュレーションの基本的な原理を確立した。特に、コーナRの小さい底付き穴など、曲率半径の小さい部分を持つ場合の補正方法を考案し、逆方向シミュレーションによって得られた工具電極形状を用いて実際に加工実験を行った結果、工具電極消耗を考慮しないで製作した従来の工具電極を用いた場合より、精度のよい加工が可能であることが分かった。ここまでのシミュレーションは、工具電極を一方向、たとえばZ軸方向にのみ送る場合に有効であった。しかし、実際の加工では、より複雑な形状を加工する必要があり、いろいろな方向の加工を組み合わせた工具軌跡で加工を行う。また、工具電極の底面と側面に均等に放電を生じさせることによって消耗が底面に集中しないようにして、加工精度を向上させる必要がある、そこで23年度は、送りのベクトルの方向が加工中に変化するような加工(遥動加工)について、逆方向シミュレーションを行った。その試みの第一段階として、工具軌跡を2次元に限定し、コーナRの小さい角穴を、Z方向、X方向の順番に工具電極を送って加工する場合の逆方向シミュレーションを行った。その結果、所望の角穴を加工するための工具電極形状を得ることができ、その形状を用いて実際の放電加工を行った結果、工具電極消耗を考慮しない従来の工具電極形状を用いた加工よりも精度のよい加工が行えることが分かった。さらに、同じ角穴を加工する場合に、斜め45度の方向に、まずは右隅、次に元の位置に戻った上で続けて左隅に向かって2方向に分けて加工する工具軌跡について逆方向シミュレーションを行った結果、解が得られないことが分かった。このように解が得られる工具軌跡と得られない工具軌跡を判別するための規則性を見出すことが今後の課題である。この課題を解決すれば、任意の形状の加工について、最適な加工軌跡をオフラインで求めることができ、それと同時に消耗を考慮に入れた工具電極形状が得られるようになる。
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Research Products
(2 results)