2010 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルナノパターニング技術開拓のための水酸化フラーレン分子加工原理に関する研究
Project/Area Number |
21360064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高谷 裕浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70243178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 照剛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00334011)
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Keywords | 水酸化フラーレン / 加工機能性超微粒子 / ナノデジタルパターニング / 材料除去過程 / 分子加工原理 / 表面増強ラマン散乱法 / 加工現象計測・解析 / 超短パルスレーザー |
Research Abstract |
本研究は,フラーレン1分子を加工機能性超微粒子として利用することにより,加工量をデジタル的に制御可能なナノデジタルパターニング技術の実現をめざし,フラーレン単分子による加工メカニズムの理解と,それによって得られた加工特性に基づく加工制御技術の確立を目的とする.平成22年度は,フラーレン単分子による材料除去量の定量的評価と化学反応層の解明およびフラーレン単分子に励起された局在表面プラズモンによる増強電場と加工特性の関係を定量的に解析するため,以下のような加工実験と表面解析によるマクロな加工現象解析およびSERS計測基本光学系の改良と検証を行った. 1. 今年度は特に,機械的除去量の定量解析,SEM観察,XPS解析などによって,水にほぼ1分子(サイズ1nm)で分散する水酸化フラーレン(C_<60>(OH)_<36>)が銅と反応して生成するCu-fullerenol錯体脆性膜の生成プロセスや基本特性を詳細に調べた.その結果,Cu-fullerenol錯体脆性膜の化学的および機械的特性を定量的に明らかにし,フラーレン1分子を加工機能性超微粒子として利用するナノデジタルパターニング技術の実現に向けた,原子オーダの分解能による基礎的な加工メカニズムの知見を得ることができた 2. 前年度に構築したSERS計測基本光学系を改良し,その検証実験および表面増強ラマン散乱法に基づくC_<60>単分子加工現象計測・解析のための基礎実験を遂行した.既存の顕微ラマン分光装置によって計測したC60薄膜やシリコン単結晶などのラマンスペクトル基準データに基づき,改良したSERS計測基本光学系の基本動作検証を行った.さらに,局在表面プラズモンによる増強電場を計測する手法を理論的に検討し,水酸化フラーレン単分子および水酸化フラーレンと銅の錯体化合物のラマンスペクトルによる定量的なC_<60>単分子加工量予測技術の有効性を示した
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